取りあえず奇蹟を起そうか 86 | 瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

大野君に魅せられ、重症サトシックのおばさんです。
年甲斐もなく智愛叫んでます。
お名前をお借りして腐小説を書いています。
ご理解いただける方のみお入り下さい。

男性の方のご入室はご遠慮下さい。

雅紀君と二人、ホテルのラウンジで朝食を頂く

最近はどのホテルでも朝食はビュッフェ

珈琲だけは淹れたての物を運んでくれる

 

「良い香りですね」

 

雅紀君が珈琲の香りを楽しんで

カップに口を付けた

 

「そうだね ・・・ 結構香りの高い珈琲 ・・・

 どちらかというと大人の珈琲って感じだね」

 

深煎り珈琲然とした味がする

これはこれで嫌いではないけど

マスターや綾野君の珈琲に馴れてる俺には

少し重い感じもする

 

「茂さんのお宅には何時頃伺いますか?

 屋敷の昼食後、一度家に戻られるそうです」

 

「朝が早いから休憩って事?」

 

「ええ、長が昼食を終えられたのを確認して戻るらしいです」

 

「茂さんの毎日は、長を中心に動いてるって事だ」

 

「それは間違いありません

 里の象徴である長のお食事係ですから

 綾野君と立場は似ています」

 

「似ているのに住み込みではないんだ」

 

「ええ、城島家は長老家の一つですが

 末席の長老家 ・・・

 筆頭家への遠慮もあります ・・・」

 

雅紀君が渋い顔をする

 

「末席?長老家に上も下もないんじゃないの?」

 

智君がいつも言ってた

里に上も下もないってのは幻想なの?

 

「後に加えられた二家は力も権限も有りません

 元々、城島、坂本の二つの家は東の家の補佐でした」

 

「あの事件以前は東の家が長老だったよね」

 

「ええ、里が出来た頃からだと言われています

 それだけ威厳のある家でした ・・・」

 

 「いつ代わったの?」

 

「あの事件から数百年後くらいでしょうか

 僕もそこまで詳しくないです ・・・

 暁の一族として力を持ち始めた頃だったと思います」

 

筆頭家となった松本家の目の上のたん瘤は東家

 

「つまりは ・・・ 監視の為に二つの家を長老家にした?」

 

「僕もそうだと思います ・・・

 松本家が筆頭になったのは里を纏める力ではなく

 長の末裔だという理由だけです ・・・

 東家が反旗を翻したら里の者はそちらに付くでしょう

 例え、その時代の長を人質に取ったとしても ・・・」

 

長は先読み以外をしていない

屋敷の奥に隠された状態

存在していない時期もあったはず

長の末裔にそこまで威厳が有ったかも怪しい

 

「この二つの家を長老家に加えれば

 行動も監視できるし、権力を見せつけることも出来る ・・・

 長は ・・・ それを憂いていたんだ ・・・

 だから智君の前に姿を現した ・・・」

 

「他にも理由はあるかもしれません」

 

「例えば?」

 

「長老家は世襲制でした

 万が一後継ぎがいなかったとしたら ・・・」

 

「養子縁組をしたって事?」

 

「はい ・・・ 可能性はあると思います」

 

「そうなると ・・・ 長老の末裔ではないって事になるのか ・・・

 それを言うなら、どの家も同じだろう ・・・」

 

それに時代が違う

側室がいた可能性だってある

ないとは言い切れないが ・・・

 

「話が逸れてしまったな ・・・

 今は茂さんの話だった 

 雅紀君、俺は櫻井翔として

 茂さんに会おうと思ってる」

 

「そう言われるだろうと思っていました

 それに、翔さんの事はご存知ですよ」

 

思わず間の抜けた顔をしてしまった

相当な決意のもと話したつもりなのに

 

「へ? ・・・ どういう事?」

 

「長老家は翔さんの写真を手に入れています

 和也も貴方の顔を知ってました ・・・」

 

「会ったことないのに?」

 

「長の恋人だという事も ・・・

 僕でさえ知ってるんですから

 長老家はもっと知っています

 二人で暮らし始めたから長就任が早まった」

 

やっぱりか ・・・ まあ ・・・ そうだろう

親父ですら知ってたんだから当然か ・・・

 

「真っ向から挑む ・・・

 俺は屋敷に嫁に入るつもりだから 」

 

今度は雅紀君が唖然とした顔をする

 

「嫁ですか?」

 

「ああ、屋敷で暮らす所存だ」

 

「櫻井の家はどうするんですか?」

 

「先ずは俺たちの事を認めさせてから考える」

 

「はぁ ・・・」

 

雅紀君は二の句を告げないのか

ポカンとした顔をして

そのすぐ後、声を上げて笑う

 

「アハハ ・・・ それでこそ翔さんです(笑)」

 

笑ってる雅紀君の携帯が鳴った

 

「誰だろう?」

 

画面の表示されたのは番号だけ

その番号 ・・・ 里の屋敷 ・・・

 

「あ ・・・ それって ・・・ 屋敷からだよ」

 

雅紀君が驚いた顔をして

慌てて画面をタップして電話に出た

 

 

 

 

貴方が動き出したことがすぐに分かった

 

 

 

 

 

<続きます>