キミの夢を見ていたい(扉の向こうにある未来)29 | 瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

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大野君に魅せられ、重症サトシックのおばさんです。
年甲斐もなく智愛叫んでます。
お名前をお借りして腐小説を書いています。
ご理解いただける方のみお入り下さい。

男性の方のご入室はご遠慮下さい。

大きな紙袋を俺に持たせる蒼ちゃん

蒼ちゃんは俺が渡した袋だけ

『漏れなく半分』と言っていたけど

殆どの荷物は俺が持ってる

 

「あの ・・・ 半分ずつですよね?」

 

蒼ちゃんがニヤリと笑って俺の方を向いた

 

「そうだよ、この世界でお兄ちゃんが持つでしょ

 俺は向うの世界で持つから半分ずつでしょ

 違うな ・・・ 俺の方がこの分だけ多いよ」

 

俺が渡した袋を重そうな振りをして持ち上げる

 

「お兄ちゃん、この中のシャツ

 一体何枚入ってるの?」

 

「子どもは汗を掻きますから ・・・ 5枚 ・・・」

 

一枚に絞れなかった

久し振りにデパートに行って

あれもこれも、さとしに似合うと思ったら

全部買ってた ・・・ 自分のも買ったけど ・・・

 

「確認ね(笑)

 自分のも買った?」

 

見透かされてるような眼差し

ここで嘘をついても仕方がない

 

「まあ ・・・ 数枚は ・・・」

 

5枚全部お揃いだとは言えないから

そこは上手く誤魔化したつもり

 

「アハハ ・・・ ほんと緋~ちゃんにそっくり(笑)

 その紙袋の中に、おチビたち4人の洋服が入ってる

 ひ~ちゃんも限度を知らない(笑)」

 

それは何となくわかる

似てると言われれば似てるのかも知れない

洋服の好みは間違いなく似てる

まさか ・・・ 同じものが入ってるかも?

 

「ふふ ・・・ その可能性あるかもよ」

 

悪戯ぽっく笑う

やっぱりこの人、心が読めるのかも ・・・

 

「それは困りますか?」

 

「困らないよ、それに今回は被らないと思う

 4人分の上下の服にパジャマやら入ってるから

 お兄ちゃんのTシャツと同じ物はないはず

 有っても一枚くらいじゃない(笑)」

 

「あの ・・・ どこに向かってるんでしょうか?」

 

どう考えても公園に向かってる気がするけど

 

「欅の所だよ

 そこから帰るから

 お兄ちゃんには荷物持ちをお願いしただけ(笑)」

 

「はあ ・・・ 帰り道だから構いませんが ・・・」

 

「大ちゃんが来てくれてたら

 魔法を掛けてくれると思うけど ・・・

 流石に俺には出来ない」

 

魔法 ・・・ どんな魔法?

って、あの人は人間のはず

 

「お願いした方が良いよ

 大ちゃん来てくださいって」

 

「お願いしたら会わせて貰えますか?」

 

蒼ちゃんが苦笑いを浮かべて頭を左右に振った

 

「チビに会うには腹を括らなきゃ

 鍵を見つけてない人は会えない

 そこはシビアだよ」

 

鍵 ・・・ 夢に関係あるのかも知れない ・・・

 

欅の側まで来たけど

大ちゃんの姿がない

 

 

「お兄ちゃん、お願いしなかったでしょ?」

 

「ちゃんとしました ・・・ 

 大ちゃんが来たら何が起こるんですか?」

 

「ん?ちょっと待って」

 

俺の問いに答えずに欅の幹に触れる蒼ちゃん

誰かと話をしてるみたい

大きく頷いている

 

暫くすると俺の横まで来て

 

「大ちゃん、来てくれるよ

 俺が光の道を開けないと使えないらしい

 荷物持ってくれてありがとう」

 

「大ちゃんが来るんですか?」

 

「ほら ・・・ こっちに向かってくるでしょ」

 

蒼ちゃんが振り向いた先に

ゆっくり歩いて来る大ちゃんの姿

 

「これは必ずチビに渡すから

 俺が戻った後の事は大ちゃんに聞いて」

 

蒼ちゃんがニッコリ笑って

俺の手に持ってた荷物を受け取る

 

「チビが呼んだら応えてあげて

 少しだけ話しができると思う

 じゃあね」

 

欅の幹が眩い光に包まれて

蒼ちゃんが中に吸い込まれるように入って行った

 

話が出来る?

それだけでも半信半疑

ポカンとした顔をしてると

大ちゃんが隣に立ってた

 

「派手に帰って行ったね

 まあ、力を大目に使って貰わないと

 欅が電話になってくれない

 これならゆっくり話が出来るだろう」

 

大ちゃんが言ってる意味もよく理解できない

一体何が起こるんだろう?

 

 

  

 

<続きます>