Treasure of life 41 | 瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

大野君に魅せられ、重症サトシックのおばさんです。
年甲斐もなく智愛叫んでます。
お名前をお借りして腐小説を書いています。
ご理解いただける方のみお入り下さい。

男性の方のご入室はご遠慮下さい。

自分の役と向き合って、自分なりの答えを出す

それが演出家の描く役とかけ離れていたら修正

どんな舞台にしたいかというビジョンは

演出家の手の中にある

それを実現するのが舞台に立つ役者

どんな指示にも答えられるように努力するしかない

稽古は厳しいけど

一緒に舞台を作り上げる事は楽しい

 

ニノが稽古場に居てビックリした(笑)
今回の演出の助手になれたって

オイラ以上に驚いてた

 

まさか、こんなに早く一緒に仕事が出来るなんて

夢のようだね

 

帰ろうと稽古場から廊下に出ると

 

「大野さん、帰りますか?」

ニノが満面の笑みを浮かべて

稽古部屋から追いかけてきた

 

「うん、稽古終わったから

 ニノも帰れるの?」

 

ニノは小さく頭を左右に振った

 

「いえ、まだ打合せがあるみたいです」

 

「そうなの?

 初日から大変だね」

 

ニノは凄く嬉しそうに笑って

 

「いいえ、大野さんと仕事が出来るんです

 全然大変じゃないですよ

 ここで、勉強させて貰って

 いつか、Friendshipのカンパニーを立ち上げます」

 

あまり熱くならない性格なのに

妙に熱を帯びた言葉

 

「そこの役者はオイラでいいの?」

 

「当然です

 貴方の様な素晴らしい役者に見合う

 カンパニーを作りますから

 今はどんな事も、勉強して吸収します」

 

ニノの、オイラ達の、夢だからね

 

「オイラ、まだまだだ勉強する事ばかりだよ

 ニノに認めて貰える様に頑張るね」

 

「ふふ ・・・ そう言う所が好きなんです

 ほんと ・・・ 貴方らしい

 今日のお迎えはお母さんですか?」

 

「ううん、翔君が来てくれるって」

 

「あちゃ、引き留めちゃったね

 ごめんね」

申し訳なさそうに頭を掻いた

 

「気を回さなくてもいいのに 

 同じ家に帰るんだよ」

 

「櫻井さんが心配して、イライラしてるかも

 気を付けて帰って下さいね

 ゆっくり休んで、無理は禁物ですよ」

 

「そこまで気が短くないと思うけどな ・・・

 待ってるから行くね ・・・ニノも無理しないでね」

 

ニノは手を挙げて部屋に戻って行った

 

 

外に出ると翔君の車

運転席で前を見たまま、ちょっと難しい顔してる 

  

何か有ったのかな?

助手席の窓ガラスを叩くと

おいらに気が付いた翔君がニッコリ笑った

そのまま、助手席に乗り込む

 

 

「智君、お疲れ様」

 

「翔君もお疲れ様 

 それより、どうかした?」

 

「え? ・・・ 何が?」

 

翔君はちょっと嘘が下手

笑顔がいつもと違う

 

「何か困った事でもあったの?

 凄く難しそうな顔をしてたから」

 

「何もないよ

 さっき店に寄ったら

 相葉君から人手不足をどうするか

 相談されてね

 フルで働ける人を募集しようかって話になったんだ」

 

「正社員って事?」

 

「そうなるかな?

 貴方も松本も、これからはお店には出れなくなるでしょ?」

 

「出れるよ ・・・ 舞台が終わったら」

 

「そこは出れない方が良いでしょ

 そもそも貴方の本業は?」

 

「ミュージカルダンサーだけど ・・・」

 

「お店に関わっていたい気持ちも分からないではないけど

 いずれ、カンパニーを旗揚げした時

 そのカンパニーの看板役者は貴方なんだよ」

 

それは分かってるけど ・・・

まだ、そこまで忙しくない ・・・

 

「そんなに忙しいの?」

 

「侑李君の友達がバイトに入ってくれそうだけど ・・・

 学生さんだからね ・・・ 休み期間中は良いけど

 ずっととはいかないでしょ?」

 

「うん ・・・ 」

 

「がっかりした顔しないで

 同じFriendshipの乗組員には変わりないんだから

 まあ、お店の事は休みの間に考えれば良いね」

 

おいらの手に触れて

ニッコリ笑って頷いた

 

「うん ・・・ そうだね 」

 

「お腹空いたでしょ?

 お袋が上手いもの作って待ってるって」

 

そう言って、車をゆっくり発進させる

 

翔君 ・・・ やっぱり何か隠してる

お店の事でそんな顔しないもん

おいらに関係する事だってのは分かる

 

「今日は忙しかった?」

 

前を向く翔君の横顔に訊ねる

 

「え ・・・ それほどでもなかったよ?

 松本もオフだったから ・・・・

 夕方から店の手伝いしてた ・・・」

 

「ふ~ん ・・・ そうなんだ ・・・ お店は忙しかったんだよね

 だったらお迎え良かったのに」

 

「予約が多かったんだよ ・・・ だから ・・・」

 

歯切れの悪い言葉(笑)

相葉ちゃん、朝は何も言ってなかったけど

 

「何か隠し事?」

 

もう何を聞いても驚かないけど?

翔君が大きく咳払いをする

 

「ゲホツ ・・・ 何もないよ ・・・ ホントに何もない」

 

「ふふ ・・・ じゃあ、そう言う事にして置く」

 

きっと、考えがあって隠してるんだよね

 

「貴方に隠し事なんて、本当にないから」

 

翔君の手を握って指を絡ませる

 

「うん ・・・ 分かった」

 

その時、ポケットに入れた携帯が鳴った

誰だろ?

 

「電話 ・・・ 誰だろう?

 お母さんかな?」

 

翔君が握ってた手に力を入れた

 

 

携帯画面には 『鮫島さん』からだった 

 

 

 

 

 

 

 

<続きます>