Treasure of life 39 | 瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

大野君に魅せられ、重症サトシックのおばさんです。
年甲斐もなく智愛叫んでます。
お名前をお借りして腐小説を書いています。
ご理解いただける方のみお入り下さい。

男性の方のご入室はご遠慮下さい。

舞台公演に向け本格的な稽古が始まった

誰よりも努力家で妥協を許さない

完璧主義者の貴方の真剣な顔を久しぶりに見た

 

通勤の車の中、助手席に座る貴方が

まっすぐ前を向いたまま呟く

 

「翔君、初日のチケット2枚、用意してくれない」

 

2枚って ・・・ 誰の?

お母さん?鮫島さん?

頭の中で考えを巡らせながら

 

「2枚って親父たちの?

 親父たちのなら用意したけど」

頓珍漢な返事をする

 

「あ ・・・ その事はお父さんから聞いた ・・・

 そうじゃなくて ・・・ あの人と侑李君のチケットを2枚

 今のオイラを見て欲しいんだ ・・・」

 

2枚で良いの?鮫島さん達の分は?

喉元まで出かかった言葉を飲み込んで

 

「分かった、2枚ね ・・・ お母さん凄く喜ばれると思うよ」

 

「そうかな? ・・・ そうだと良いけど ・・・

 侑李君へのお礼でもあるんだ ・・・

 彼の勇気がオイラの背中を押してくれたから」

 

「二人に観に来てもらう事に意味があるんだね?」

 

「うん、ギクシャクしてるみたいに感じるから

 侑李君と ・・・ あの人 ・・・

 だから ・・・ 戻って欲しいでしょ ・・・

 オイラ ・・・ ちゃんと母さんって呼べるから ・・・」

 

貴方は少し、戸惑い気味に笑う

 

「自然に呼べるようになるまで焦らないで良いんだよ」

 

「ふふ ・・・ そうだね ・・・ 

 無理はしないから安心して

 さあ、今日も頑張らないと

 帰りはお母さんが迎えに来てくれるって

 だから翔君は松本君についててあげてね」

 

最近ずっと同行できないのが悔しい

舞台の稽古に同行は必要ないんだけど

 

「今日は松本の撮りはないはず

 俺が迎えに行くから」

 

「無理しなくていいよ

 同じ家に帰るんだから」

そう言ってクスクス笑うから

 

「そう言う問題じゃないでしょ

 行きも帰りも一緒って言うのが良いんじゃない

 新婚さんみたいでしょ」

 

「くふふっ ・・・ いい響きだね新婚さん(笑)」

 

「お袋には連絡しておくから迎えに行くね」

 

「じゃあ待ってるね

 翔君、お店の傍で降ろして」

 

「了解、気を付けてね」

 

「じゃあ行ってくるね」

 

降りようとする貴方の腕を引き寄せて

掠め取る様にkissをした

 

「行ってらっしゃいのkiss忘れてるよ」

 

「忘れてないもん、さっきしたよ」

真っ赤な顔で口を尖らせる

 

「何度でもしたいの」

 

耳まで真っ赤になった貴方が照れくさそうに笑って

お返しのkissをしてドアを開けて車から降りた

 

窓を全開にして手を振ると

同じように手を振って

店に向かって走って行った

 

お母さんのことは、貴方の中で整理がついてる

後は切っ掛けだけ ・・・

この舞台が本当の再会の助けになると信じてる

 

 

事務所に顔を出すと

二宮君が何やら慌てふためいてる

 

「おはよう、どうしたのそんな慌てて?」

 

「おはようございます ・・・ あのですね櫻井さん

 それが ・・・ 俺 ・・・ 舞台 ・・・」

 

慌てふためいた顔で口をパクパクしてる

 

「落ち着けって!コーヒー持ってきたから

 それを飲んでゆっくりと話して」

 

椅子に座らせて

ポットに入ったアイスコーヒーをグラスに移して

テーブルに置く

 

「飲んで落ち着け」

 

「あ ・・・ ありがとうございます ・・・」

そう言って、グラスのアイスコーヒーをゴクリと飲んだ

 

 

「あのですね、八嶋さんから連絡があって

 今度の舞台を手伝って欲しいって言われたんです

 つまりは、大野さんと仕事が出来るんです

 凄い事でしょ!一緒に舞台を作れるんです

 こんな早く同じ舞台の仕事って、夢見たいでしょ」

 

余程、嬉しいのか一気にしゃべり続けるから

むせそうになってる ・・・ それは慌てるよな ・・・

彼の瞳が、キラキラって光り輝いてる

 

「良かったな!凄い事なんだろ?」

 

彼は頭を何度も上下させて

 

「ええ、さっき電話が有って

 今日の打ち合わせから参加して欲しいって

 勉強させてもらうつもりで行ってきます」

 

「智君と一緒に行くって事?」

 

「いえ、大野さんより先に行きます

 なので、店に顔を出せない」

ちょっと困った顔をする

 

「店の心配はいらないだろう

 知念君の友人がバイトに入るって聞いたから」

 

「ええ、今日からですね」

 

「じゃあ、心置きなく仕事に行ってくれたまえ」

 

「ええ、そうさせて頂きます」

 

グラスに入ったアイスコーヒーを飲み干して

出掛ける準備を始めた

 

 

 

 

Friendshipは夢に向かって少しずつ動き始めた

 

 

 

 

二宮君を見送った後

持ってきたアイスコーヒーをグラスに入れて

今日の予定確認を始める

ポケットに入れたまんまの携帯が鳴った

画面を見ると、相手は鮫島さんだった

 

 

 

 

 

 

<続きます>