取りあえず始めようか 33 | 瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

大野君に魅せられ、重症サトシックのおばさんです。
年甲斐もなく智愛叫んでます。
お名前をお借りして腐小説を書いています。
ご理解いただける方のみお入り下さい。

男性の方のご入室はご遠慮下さい。

引越しを数日後に控え二人で荷造り

男の1人暮らし、それほど荷物もない

あっという間に完了

 

「これだったら、荷積み、荷下ろしもすぐに済みそうだな」

 

「そうだね ・・・」

 

なんだか気も漫ろな返事

ここ最近の翔君 ・・・ 少し機嫌が悪い

 

家に仕事を持ち帰ることは殆ど無かったのに

突然大量の資料らしきものを持ち帰って

難しい顔をして読み始めた

 

どんなに遅くなろうとも

一緒にベッドに入らないと嫌だと

あれだけ駄々こねてた男が

 

「智君、先に休んで」

素っ気ない声で言うから

思わず口をあんぐりと開けたのを覚えてる

 

これからは、離れ離れの日常になる

その練習なんだなと納得させたけど 

少々、複雑な気分 ・・・  

 

 

「あのさあ ・・・ 家電は買い替えるんだよね?」

 

突然、何を言い出すかと思えば

お前が買い替えろって言ったんじゃないの?

 

「お前が言ったんだろうが

 まあ、かなり年季が入った物だったから

 買い替える事に賛成ししただろ」

 

「そうだったね ・・・ あれね、もう手配したから」

 

「はい?家電用品?」

 

そんな話聞いてないけど

 

「うん、冷蔵庫と洗濯機、電子レンジにテレビ

 大きい家電品は手配済みだから

 後、ダイニングセットとソファー ・・・

 ソファーは家のにしたから」

 

家のにしたって ・・・ お前の部屋のソファー?

 

「ちょっと待て ・・・ 確かにその3点は必要だけど

 それ以外は必要なのか?

 全部が全部揃って無くても良いだろ」

 

「何言ってるの、生活用品は揃えるべきでしょ

 掃除機に炊飯器は貴方のを持って行くでしょ

 エアコンはついてたよね

 ベッドと布団は注文済みだし

 ラックとか整理ダンスも必要だよね」

 

誰の引越しか分からなくなるくらい

一生懸命、頭の中で考え中?

 

「急にどうした? ・・・ 

 お前、引っ越しに興味なさそうだっただろ?」

 

「そんな事ないよ

 だって二人の愛の巣だからねぇ」

 

そう言って、ここ最近で一番の笑顔を見せた

 

「引っ越しが面白くなかったんじゃねぇの?」

 

「何でそう思うの?」

 

「最近ずっと仕事ばっかしてたから

 触れたくないのかなって思って ・・・」

 

出来るだけで刺激しないように

引越しの話題を避けてたんだが

 

「そうなの? ・・・ まあ ・・・忙しかったから」

 

「いやいや、眉間の皺が深くなってたぞ

 声掛けても素っ気ない顔してたじゃん」

 

「淋しかった?」

人の気持ちも知らないで

ぬけぬけと訊ねるから

 

思わずジト目で睨みつけた

 

「ふ~ん ・・・ お前、淋しかったって聞くんだ ・・・

 はあ、気を使って損した ・・・

 それよりだ、何であっちの部屋のソファーまで引っ越す?

 ダイニングセットはいらねぇ

 ここに有る簡易テーブルで充分

 飯食うのは、このローテーブルで間に合う

 何でもかんでも揃えなくていい、それこそ無駄使い」

 

何だか腹が立ってきた ・・・

暴走するなって言っただろうが ・・・

 

「だって ・・・ 2人で住むんだよ

 俺の部屋の引越しも出来るだけ早くとは思ってるけど」

 

お前は当たり前でしょって顔をする

 

はい?また、訳の分からないことを良い始めた

何がどうなってコイツが引っ越すんだ?

 

「つかぬ事を伺いますが 誰の引越し? 

 お前の話は、さっぱり分かんないんだけど」 

 

「だから、俺も京都に引っ越すことにした

 考えたらね、絶対離れらんないもん

 すぐに追いかけるから

 自分の部屋をどうするか考え中 ・・・

 貴方がここを引き払うから、そのままで良いかな

 月に1度は帰って来るでしょ?」

 

狐につままれたような気分

此奴は一体何を言ってるんだ?

顔をじっと見つめても、『何?』って顔をする

 

「月に1回は会社に顔を出す事になってるから

 戻って来るけど ・・・」

 

来るけど ・・・ お前がこっちで待ってるって話だろ?

 

「その時は一緒に帰ればいいでしょ」

 

いけしゃあしゃあと答える顔が癪に障る

 

「だから! ・・・ 順を追って話せ ・・・

 何でお前まで引っ越すの?」

 

「何でって?転勤で」

そう言ってニッコリ笑う

 

「はあ~?

 それ、いつ決まった?

 そんな話、一言も言わなかったじゃねえか?」

 

吃驚を通り越して倒れそうだよ ・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

<続きます>