取りあえず始めようか 28 | 瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

大野君に魅せられ、重症サトシックのおばさんです。
年甲斐もなく智愛叫んでます。
お名前をお借りして腐小説を書いています。
ご理解いただける方のみお入り下さい。

男性の方のご入室はご遠慮下さい。

ご機嫌な姫様は次は布団を買うんだと

いそいそと店を後にする

 

はてさて、どんな布団を買うつもりなんだろうか ・・・

きっとコイツの事 ・・・ 最高級とか言いそう

恐る恐る訊ねる

 

「なあ、布団ってどんなの買うつもり?」

 

「そうだね、やっぱり良い物を買わないとね」

 

「まさか最高級とか言う?」

 

姫様は「まさか?」って顔をして

 

「そこまでは考えてないよ

 いずれはゴールドアイダー羽毛布団って思ってるけど

 今回はそこまでは考えてない」

 

ゴールドアイダーとは何だ?

俺はさっぱり分からないんだが

 

「その、ゴールドなんチャラはいくら?」

 

「いくらかな?最高級だと300くらいじゃないかな」

涼しい顔で答える姫様

 

「300!」

思わず大きな声が出た

 

「アイダーダウンって言う最高級の物だよ

 寝心地は凄くいいらしい」

 

らしいという事は使ってはいないって事だよな

 

「まさかそれを買いたいって言わないよな?」

 

姫様は手をヒラヒラさせて

 

「まさか ・・・ そんな高い物を買おうとは思っていないよ

 いずれ ・・・ 2人で貯金して買いたいと思ってる」

 

欲しいと思ってはいるんだ

ここは深く追求しない方が得策な気がする

故にスルーさせてもらう 

 

「で、今回の予算は?」

 

「そうだね、アイダーダウンが入ってる

 国内メーカーの布団にしようかなって思って

 大体20万ちょっと超えるかな」

当たり前の顔で答える姫様

 

 

ベッドであんなに迷った俺は何だったんだろうか ・・・

身の丈に合った生活と

口が酸っぱくなるほど言っても

コイツの身の丈がそこにあるなら

言ったところで理解できないだろう

 

だが、ここは敢えて言わせてもらう

既にベッドで10万は超えてる

それ+10万なんて無理

リーズナブルソファーすら買えなくなる

引越しは何かと掛かるんだ

 

「翔君、布団の予算は半分な

 俺に取っては10万の布団でも最高級だから」

 

姫様の顔が不満げな顏に変わる

 

「10万? ・・・ じゃあ足が出た分は俺が ・・・」

 

「それは無しだって言ったよな ・・・ そこは譲れない

 どんな事も上を見たらキリがない ・・・

 それに、どちらかがどちらかに寄り掛かるのも嫌

 全て折半 ・・・ そう云う約束だろ?」

 

ジロって睨みつけると

ハッとした顔をして

姫様がやっと翔君に戻ってくれた

 

「ごめん ・・・ 今のは撤回する ・・・

 ただね、良い物は長く使えるから

 後々の事を考えると得なんだよ

 例えば安いものは5年で悪くなる

 良い物は10年以上使える

 そう考えたら、良い物の方が安いでしょ」

 

言ってる事は当然だけど

価値観の違いなんだ

 

「お前の言いたいことは理解できる

 だけど、安価な布団にしようと言ってる訳じゃない

 国内メーカーで10万くらいの布団はザラにある

 今はそれで良いって言ってんだ

 俺としては最大の譲歩だけど」

 

布団の価格くらい知っている

もっと安い物だってある

俺のとって、その値段は高額なんだ

 

それにだ ・・・ 俺達、買い物の為に来たのか?

 

「布団は通販でも買えるよな?」

 

「どのメーカーも通販サイトがあるから

 買えない事はない

 ただ実物を見ないと不安でもあるよね」

 

「有名なメーカーなら安心だろ

 なら、買い物は中止な

 折角の初旅行なんだ

 当初の予定通り京都観光しよう

 遅咲きの桜を見に行きたい」

 

さっきまで姫様の顔だった翔君が

今度は王子の顔に変わる

 

「そうだね ・・・ 何を焦ってたんだろう

 ごめん、先走って ・・・ 

 布団は帰ってから相談しよう

 遅咲きの桜 ・・・ 今しか見れない景色を2人で見に行く予定

 ・・・ すっかり抜けてた ・・・ 俺ってバカだ ・・・ 

 初旅行が買い物だけってのは頂けない ・・・

 不動産屋に連絡を入れてから

 半日タクシーを貸し切って観光しましょう

 その方が便利だから」

 

決めれば潔い翔君は

携帯で不動産屋に連絡して

それから観光タクシーの手配をした

 

京都観光はタクシーが良いと書いてあった(笑)

二人並んで座っていけるからその方が良いな

 

 

今日見た景色を二人のアルバムに収めよう

観光という名の京都旅行は暫くはないんだから

 

 

 

手繋いでも良いぞ

今日は許す!

 

 

 

 

<続きます>