Carry on 24 | 瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

大野君に魅せられ、重症サトシックのおばさんです。
年甲斐もなく智愛叫んでます。
お名前をお借りして腐小説を書いています。
ご理解いただける方のみお入り下さい。

男性の方のご入室はご遠慮下さい。

一体何が起きたんだ?

今のは ・・・ ジュン ・・・ 

 

崩れ落ちそうなショーを抱えながら

背中に手を回せば、掌に生温かい何かが

べったりと付いたそれは、掌を赤く染めた

 

「ああぁ ・・・ ショー ・・・ ショー ・・・」

 
 

サトシの悲痛な声が響き渡る

 

 

「・・・ ショー ・・・ 眼を開けろ!」

 

腕の中でぐったりしてるショーが

苦痛に顔をゆがめながら

一生懸命笑おうとする

 

「サトシ ・・・・・・ だった?」

 

「バカ ・・・ 何で俺をかばった ・・・

 お前が ・・・ お前が ・・・」

 

「・・・ 僕を ・・・ たすけて ・・・ くれた ・・」

 

 

「喋らなくて良い ・・・ 助けてやるから

 お前を失ったら ・・・ 俺は生きていけない」

 

矢が刺さった所から ・・・ 

真っ赤に血が流れ始めた  ・・・

 

 

「ショー ・・・ 今すぐ助けてやるから ・・・

 眼を ・・・ 眼を ・・・ ショー ・・・ あああああっ ・・・」

 

天上にも地上にも、サトシの悲鳴と慟哭が響き渡る

 

 

なんでこんな事に ・・・ 俺と出逢ったばかりに ・・・

 

 

「 ・・・  キ ・・・   ・・・ して 」

ショーの声が、どんどん小さくなっていく ・・・

 

俺が見えてないのか ・・・ 震える手が空を舞う

その手を掴まえて頬に当てる

 

「おいて行かないでくれ ・・・ 頼むから ・・・

 ショー ・・・ ショー ・・・ 俺の全て ・・・」

 

自分の命を吹き込む様に接吻を交わす

 

あい ・・・ して ・・・ る

 

ショーは柔らかい笑みを浮かべて、ゆっくり瞼を閉じた

繋いでいた手は力なく外れ

だらんと地面に垂れ下がった

 

 

鼓動が ・・・ 君の命が聞えない ・・・

 

 

「ぅあああああっ ・・・ ダメだ ・・・ 逝くな ・・・

 一緒に暮らすんだろ ・・・ 二人で一緒に ・・・

 死なせないから ・・・ 絶対 ・・・ あああ ・・・ 眼を開けろ!」

 

抱きしめたまま蹲った

俺の力全てでお前を助ける ・・・

 

矢の効力を止めないと ・・・

ショーの指が透け始めてきた ・・・

俺の命を吹き込むから ・・・

 

 

「サトシ ・・・ サトシ ・・・」

ジュンが悲痛な声で俺を呼びながら

空中から手を伸ばそうとした

 

 

「触るな ・・・ 俺達に触れるな ・・・

 お前は一体 ・・・ 何をした!」

 

ショーの背に刺さっていたのは

お前に託した神器

その矢を引き抜いて、ジュンを睨みつけた 

 

「ミデン様が ・・・ 貴方を探して ・・・ 」

「ミデンがどうした ・・・ 誰がこの矢を放った?」

 

ジュンは黙ったまま天空を見つめた

 

天空から声が聞える

 

「サトシ様が天上界を見捨てるというのなら

 天上に仇成すものとみなし、貴方の命を頂きます」

 

 

フン ・・・ 何を血迷った ・・・

 

 

「おのれ ・・・ 本質を見失いやがって

 お前が討つべきは破壊神 ・・・

 それを討てばお前の世が続くはずだったのに ・・・

 俺を貫くならまだしも、的を違えた罪は重い

 天上界全てを破壊する ・・・ 覚悟はできてるんだろうな

 俺は絶対 ・・・ お前を許さない

 ジュン、お前もだ ・・・ タイミングを間違えるなと

 あれほど念を押したのに ・・・」

 

「サトシ ・・・ 」

 

縋るような瞳で傍に寄ろうとするジュンを睨みつけて

 

「寄るな ・・・ お前の顔など見たくもない ・・・

 この地上から離れろ」

 

「ミデン様は ・・・ 貴方が地上の王に ・・・」

 

「天上に平和な世界を作る

 その大義名分で戦ってたんじゃないのか?

 その為の神器 ・・・ だから力を貸したのに ・・・

 下衆はどこまでも下衆 ・・・ 権力など端から興味はない!

 全て壊れてしまえばいい ・・・ 天上界など必要ない!」

 

 

俺を ・・・ なぜ俺を貫かなかった

自分で作った神器で生を終えるなら

それも本望 ・・・

 

それなのに ・・・ 俺の命より大切な ・・・ 

許さない ・・・ お前たち全てを

 

 

サトシの体は真っ赤な炎に包まれ

その怒りは天上に向けて解き放たれた

 

その力は、全てを焼き尽くすほどの熱風になり

天上界に吹き荒れた

 

 

 

 

ショーを抱きしめて、泣き続けるサトシ

その悲しみの波動が地上全体に伝わって

サトシの泪は雨となった

 

 

 

お前の受けた傷は全て俺に移す

傷口を自分の胸に押し当てて

幾日も抱きしめた

 

 

 

 

 

<続きます>