Carry on 16 | 瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

大野君に魅せられ、重症サトシックのおばさんです。
年甲斐もなく智愛叫んでます。
お名前をお借りして腐小説を書いています。
ご理解いただける方のみお入り下さい。

男性の方のご入室はご遠慮下さい。

サトシは僕を地上に帰すことばかり考えている

僕は、このどちらにも属さない空間で

2人きりで生きていく事も厭わないのに

 

「ショー 少し出掛けてくる

 食べ物はテーブルの上に置いてある」

そうれだけ言って、出かけて行った

 

サトシが用意した家は、とても広い家だった

綺麗に手入れされた庭を、囲う様に真っ白な回廊

色とりどりの花が咲き、蝶が飛び交ってる

樹々は たわわに実を付けて

見たことの無い、彩色豊かな小鳥が囀ってる

 

地上にはない ・・・ 楽園 ・・・

ここは、サトシの心が作った楽園 ・・・ そんな気がする

花が枯れることも、実が落ちることもない

 

人が住まう場所じゃないんだ ・・・

 

ここの果物を食べて、この空間の住人になっても

僕はサトシと暮らせない

サトシは ・・・ 唯一神だから ・・・

 

サトシは日に何度も出かけていく

朝を運び、夜を運ぶ、それ以外も ・・・ 

 

 

側にいて欲しいって

抱きしめて欲しいって

言葉に出来ない想い

 

あの日以来、サトシが僕に触れることはない

 

 

僕は ・・・ ここにいて良いのかな?

 

 

*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆

 

「ジュン ・・・ お前に頼みたいことが有る」

 

泉の畔で転寝をしてる、ジュンに声を掛けた

 

「サトシ ・・・ 」

 

マサキが地上に降りてから

ジュンは淋しそうに泉を眺める日が多くなった

お前はお前の使命があるのに

いつまでも此処にいてはいけない

 

「浮かない顔だな?

 マサキが地上に降りて、淋しいのは分かるが

 嘆いたところで帰っては来ないぞ」

 

「淋しいって言うか ・・・ 相談してほしかった ・・・」

って、悔しそうな顔をする

 

「悔しがることはない ・・・ 当然の事 ・・・

 地上に降りる場合、誰かに相談した時点で降りられない

 お前も知っているだろ?」

 

「そうですが ・・・ サトシ ・・・

 どうして引き留めてくれなかったの?」

恨めしそうな顔で俺を見上げた

 

「マサキが決めた事、引き留める必要はない

 それより、お前はどうしたいんだ

 ここにいる必要はないだろ」

 

「俺は ・・・ ここでサトシと一緒に居ます」

 

「面倒な事を ・・・ それに、そんな嘘をつく必要もない ・・・

 『ミデン』の居る洞窟が気になっているんだろ

 どうして、向こうに行かない」

 

「それは ・・・ 貴方と離れたくない ・・・」

 

「違うな!お前は俺を連れて洞窟に向かいたい

 そうだろ?」

 

見透かされたと思ったのか

バツが悪そうに項垂れた

 

「いいか、洞窟にはお前ひとりで行け

 それは決められた事 ・・・

 その代り、一つ頼みがある」

 

「頼みですか?何をすればいいんです?」

 

「『ミデン』は現王を討つ、この神託は揺るがない

 王を討って、閉じ込められた兄弟を助け出すだろう

 ただ、それで事が上手く運ぶかというと違う 

 『ゲー』が暴走を始め、破壊の神を生み出す

 力が衰えたと言っても原初の神

 『ミデン』達では太刀打ちできない

 天上の混沌はしばらく続くだろう 

 その破壊の神を討つ武器をお前に託すから

 然るべき時に、これを『ミデン』に渡して欲しい」

 

弓矢をジュンの手に置いた

ジュンが震えながら

「この弓矢は、原初の神が作った神器ですよね」

眩しそうにその弓矢を眺めている

 

「この袋にそれを収めろ ・・・

 それが放つ光だけで、邪な物は消えてしまう

 これは『ミデン』にしか使えない代物

 それ以外の者が使おうとしたら身を滅ぼす

 『ゲー』は破壊神を生み出した時点で

 全ての力を使い果たす ・・・  あれに力は残っていない

 破壊神を討てば戦は終わり、『ミデン』が王に就く

 天上を収める、全知全能の神となる

 お前はその参謀になるがいい」

 

ジュンは俺が渡した袋に弓矢を収めて

 

「こんな重要な役目は出来ない ・・・

 直接、貴方が渡すべきです」

そう言って、俺の手に戻そうとする

 

「俺が行けば情勢が変わって

 天上を分ける戦になる 

 そうすれば、地上も巻き込む事になるんだぞ

 そんな大事(おおごと)にしたいか?」

 

「いえ、それは本意ではありません」

 

「だから、『ミデン』なんだ

 あれが使う事で、全てが丸く収まる

 お前を信頼して、この重要な事を頼むんだ

 ここにいるのは構わない

 ただ、時が満ちたら洞窟に向かえ」

 

 

ジュン、その弓矢がお前を選んだんだ

そぐわない者が持った時点で

大やけどをする代物 ・・・ 

試す様なことをして済まない

 

長い戦乱は望まない

それなら、未然に防げと言われるかもしれない

だが、『ゲー』が力を使い果たさない限り

暴走は何度も繰り返す

 

 

 

原初の神の時代は終わるべきなんだ ・・・

 

 

 

 

<続きます>