A Sweet moment 63 | 瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

大野君に魅せられ、重症サトシックのおばさんです。
年甲斐もなく智愛叫んでます。
お名前をお借りして腐小説を書いています。
ご理解いただける方のみお入り下さい。

男性の方のご入室はご遠慮下さい。

傍に居たい、その想いだけは本物で

君と過ごした7か月は夢のような日々だった

手を繋いでどこまでも歩いて行けるって信じてた


それでも心の中で自問自答してた


ダンスを諦められんの?

ここに居て後悔しない?


諦めたわけじゃない ・・・ ここでもできる

翔君の傍で ・・・


じゃあ絵は?二足の草鞋を履けるほど甘い世界じゃないだろ

どっちかを選ばなければ進めない ・・・ 

考えれば考えるほど身動きがとれなくなって ・・・


それでも夢を諦められなくて 

どれだけ悩んだか分からない




「待っていて欲しい」 ・・・ 

この一言が言えなかった ・・・


いつになるか分からない ・・・ 

君を縛り付ける言葉は使えない



君が出て行ったドアがゆっくりと閉まる

追いかけようと立ち上がったら、マスターが頭を左右に振った


それを見て小さく頷いて、そのまま座り込んだ



マスターが俺の傍まで来て


「今、追いかけても冷静に話は出来ない

 彼にも考える時間が必要なんだ

 簡単に出した結論じゃないって、頭では解ってるはずだよ

 ただ、心が追いつかない


 智、自分を責めちゃダメだよ

 彼の事を最優先に、この半年頑張ってきたお前の事見てるから

 一人で悩んで考えて ・・・ 偉かったな ・・・


 自分の夢を追いかけることは悪い事じゃない

 お前の人生なんだ

 きっと彼も分かってくれる


 まだ10日ある、ゆっくりこれからの事二人で話し合いなさい」


そう言って、優しく微笑んで俺の背中を軽くたたいた ・・・



「マスター ・・・・・ 身勝手なのは俺なんだ ・・・ だから

 ・・・ 待ててくれって言えなかった ・・・

 

 行ったら ・・・ 帰って来れない ・・・

 

 彼奴への気持ちが揺らぐって事じゃない

 ずっと好きでいる自信はある ・・・ 

 でも、彼奴に何かあっても支えてやれない

 それに ・・・ 彼奴の世界も広がるから ・・・ 」



大学に入れば、高校時代とは違う世界が広がる

二人きりの世界じゃない

傍に居てあげられないなら、ここで終わらせた方が君の為



「・・・ それこそ、一人で決めることじゃない

 櫻井君に失礼だと思うよ


 彼にとっては辛い選択かもしれない


 離れてても続けるか ・・・ このまま離れるか ・・・

 それは二人で決めないと後悔するぞ ・・・


 俺はね、智が思ってるより彼は大人だと思ってる

 だから、全部話してごらん」


って、俺を諭すようにゆっくり話してくれる



「そうだね ・・・ 翔君が落ち着いたら話してみるよ ・・・

 

 マスターには感謝してる

 俺が迷った時、いつも相談に乗ってくれて、ありがとう

 バイト ・・・ 良い人が見つかるといいね」

そう言って、笑うと


マスターは苦笑いして、俺の顔をじっと見つめて


「智以上のバイトは見つからないよ

 それだけは断言できる ・・・


 お前が選んだ道なんだ、精一杯頑張って来い

 きっと成功するって信じてるから

 

 でもな、もし万が一 ・・・ 頑張っても頑張っても ・・・ どうしようもなくなった時は

 帰っておいで ・・・ 恥ずかしい事じゃない ・・・

 ここにはお前を待ってる人が沢山いる、それだけは忘れないで


 そうだ、1週間後に送別会を開こうって思ってるからそのつもりで」


送別会か ・・・ 


「良いよ ・・・ 大げさな事しなくて ・・・」


「ダメ ・・・ 俺が恨まれる ・・・

 言っただろ、みんなお前が大好きなんだよ

 時間だけは空けといてくれ

 それより ・・・ この後バイトしてく?」

って、可笑しそうに笑う


「バイト代、はずんでくれる?」


「良いぞ ・・・ いつもの一割増」


「ケチ、二割増しで ・・・」

そう答えると、無理無理って大笑いしてる



バイト代なんていらないよ

それくらいお世話になったんだ ・・・ それに ・・・


「一人でいたら ・・・ 潰されそうだから ・・・」

って小さく呟いたら


聞こえない振りして笑ってくれた




翔君、追いかけなくてごめんね

どう言い繕っても、君を悲しませることだと思ってる



君が思い描いていた大学生活

瞳をキラキラさせながら話してくれたよね

そのどれにも俺がいて ・・・ 君は嬉しそうに笑ってた 




その夢を壊すのは俺

遠距離恋愛の難しさを一番知ってるのは君




それでも俺を選んでくれるのなら ・・・

そんな儚い夢を抱いてる ・・・






どんな選択をしても受け入れるよ ・・・

これは俺の我儘だから







<続きます>