TRAP 29 | 瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

大野君に魅せられ、重症サトシックのおばさんです。
年甲斐もなく智愛叫んでます。
お名前をお借りして腐小説を書いています。
ご理解いただける方のみお入り下さい。

男性の方のご入室はご遠慮下さい。

ソファーに凭れかかって瞼を閉じて

心を無にする ・・・ 何も考えない ・・・ 何も感じたくない

・・・ ただ無機質な存在になりたい ・・・



グラスに注がれたテキーラと、ライムと岩塩が入った二つの小皿

そしてアイスペールがローテーブルに置かれた


「大野 ・・・ これ飲んで寝ろ ・・・  

 昔よくテキーラ飲んでたよな、弱いくせに ・・・

 強い酒飲んで、そのまま バタンキュー ってなって寝てた


 お前 ・・・ あんまり寝てないんだろ、酷いぞ眼の下のクマ

 まあ、分からんではないけど」


そう言って、ライムを口で絞る様にかじって、テキーラを流し込む

その後、岩塩を少し舐める


「やっぱ、辛い ・・・ ストレートは苦手だわ ・・・

 昔はカッコつけて飲んでたって事だな ・・・」


って、苦笑いしながらグラスに氷を入れてる



俺が何でも話せる相手 ・・・ 心友 ・・・

翔君にも言えない弱音をこいつは知ってる

もう20年以上の付き合い、顔見ただけで分かるらしい


「なんも考えずに寝たかったんだろうな 

 俺も最近はそんな無茶な飲み方はしない ・・・

 氷入れて ・・・ それよりテキーラ買って来たの?」


って、顔を見つめると


「取りあえず、ぐっすり眠らせるためにな」

って、クスクス笑いながら答える


「寝てるよ ・・・ 心配かけてごめん」


町田は、少し呆れた顔して


「ばぁか、俺に遠慮してどうすんの

 お互い困った事があったら、一番に駆けつけるって約束だっただろ

 俺はお前に助けられた、俺だって同じ

 遠慮したら、ただじゃ置かない」



「そうだな ・・・ 俺じゃ何一つ解決できない ・・・」



「少し調べた ・・・ 前の彼奴じゃない ・・・

 今回のは別の奴だ ・・・ どっちかと言うとこっちが黒幕かもしれない

 前回の奴はお前への恋心を利用されただけだろうな

 ある意味、彼奴は純粋だったから ・・・ やり方が似すぎてる ・・・ 」


そう言って首を傾げて考え込んでる


「お前は動くな ・・・ 今回は危険な気がするんだ ・・・

 俺を狙ってくるのならいい ・・・ 狙われてるのが俺の大切な人

 耐えられない ・・・ 何か有ったらって ・・・ 

 事務所が動いてくれてる ・・・

 だから手を出すな ・・・ 町田 ・・・  俺にとって唯一の心友なんだ

 分かってる?」

 

町田は優しく笑って、俺を見つめて


「分かってるよ、ここはお前の避難所だからな

 無くなったら困るだろ、俺もお前が来なくなったら淋しいし困る

 


 多分 事務所を辞めた奴だ ・・・ お前の成功が悔しいんだろうな

 同じスタート地点に居た筈なのにって ・・・ 今の自分と比較して ・・・

 妬み嫉み憎しみ人間の一番汚い感情に支配されて、見境がなくなってる


 お前がどれだけ努力してるか

 どれだけの物を捨てて、この場所に居るかなんて考えないんだ

 心をすり減らして泣きそうなときも笑って立ってるのにな


 俺はヤダよ、お前に何か有ったら耐えられない

 もっと自分を大切にしろ

 自分を守れない奴が、大切な人を守れるわけないだろ」


俺の肩に手を置いて、ギュッと握り締めた



「あの時 ・・・ 流れに身を任せ ・・」

って小さく呟くと、思いっきり頭を叩かれた



「その続きは聞かない ・・・ 俺達は一緒に歩いてた

 場所は違っても、俺はお前を、お前だって俺を見ててくれただろ

 いつか一緒に ・・・ 俺の夢を叶えてくれるって約束しただろ

 心にもない事を口に出したら許さない

 一度吐き出した言葉は、二度と自分の口には帰って来ないんだ」

そう言って、怖い顔で睨みつけた



間違いを間違いだって言ってくれる、お前の存在が俺を支えてる



「相当 ・・・ 参ってんだな ・・・ 泣けないんだろ

 ここに来ても笑ってる ・・・ 無理すんな ・・・

 泣けって言わないけど笑わなくても良い ・・・ 

  ・・・ 寝ろ ・・・ 俺が付いてるから」


そう言って、俺の手にグラスを握らせて

テキーラのオンザロックを呑む様にって促した



「ふふ ・・・ 何で町田と恋しなかったんだろう

 こんなに俺の事分かってくれてるのに ・・・」

そう答えて、グラスのテキーラを口に含んだ



「だからだよ ・・・ 重い鎧を脱ぎ捨てる場所必要だろ ・・・

 分かりすぎてるからだよ ・・・ お互いに

 一生付き合っていきたいから、この関係が一番ベストなんだ

 

 それにさあ、心にもない事を言わないの

 お前の心を占領してる彼がいる限り無理だろ」

って、悪戯っぽく笑う


「ふっ ・・・ それはお互い様だよね ・・・ お前にだって大切人がいる

 それより ・・・ もしメンバーの誰かが俺の事で連絡してきても

 内緒にしてくれ ・・・ 迷惑はかけたくない ・・・」


勘のいいニノだから、何が起こってるか予測は出来てるはず

事務所には聞かないだろう

『首を突っ込むな』 って釘を刺されるだけ

町田に連絡を取ろうとする ・・・


「それから櫻井翔が掛けて来ても同じ ・・・ 多分 ・・・ ないと思うけど ・・・」

  

町田は心配そうに俺を見て


「お前ホントに良いの?彼の事 ・・・ まだ愛してるんじゃないの ・・・

 ふん ・・・ お前も頑固だね ・・・ 何を言っても無駄か ・・・

 分かったよ ・・・ 約束する言わないよ」

そう言って大きく頷いた


グラスのテキーラを一気に飲み干して

もう一杯グラスに注いで飲み干した


「町田 ・・・ 無になれるかな ・・・」

って呟いて

そのままソファーに横になった


「なるんだよ ・・・ 布団敷いてくるから」

そう言って部屋を出て行った



相当疲れてたんだろうな

お酒が一気に回って、そのまま夢の世界を漂ってた





<続きます>