TRAP 27 | 瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

大野君に魅せられ、重症サトシックのおばさんです。
年甲斐もなく智愛叫んでます。
お名前をお借りして腐小説を書いています。
ご理解いただける方のみお入り下さい。

男性の方のご入室はご遠慮下さい。

収録中も休憩中も片時も貴方の傍を離れない二宮

それこそ、トイレにさえついて行く


あそこまで取り乱す二宮を未だかつて見た事がない

松本も取り乱してはいないが、大野さんの傍を離れようとはしない


つまりは両脇を二人で固めて誰も寄せ付けないようにしてる

声を掛けたくても、その隙さえ与えてくれない

俺なんかが声を掛けたところで、答えてはくれないのは明白なんだけど



当の貴方は、そんな事お構いなしの素知らぬ顔で

営業スマイルのまま二人の話に頷いて応えてる



あの笑顔 ・・・ 雅紀が言ってた笑顔


ホントは笑ってない事も、笑顔の下で泣いてる事も

気が付かない振りをしてた

あの凍てつくような瞳は俺だけに向けられてるものだって

その優越感に浸ってた ・・・ 


それが脆く崩れ去った ・・・ 俺だけじゃない誰も見ていない ・・・

あの人の瞳に映し出されてるのは闇 ・・・ 孤独と言う闇 ・・・



俺との事じゃない ・・・ 貴方をそこまで追い詰めてる何か

大事な事を見落としてる


ずっとその事だけを考えて、俯き加減になってる俺に


「翔君 ・・・ カメラ ・・・ そんな怖い顔、誰も見たくない」

って、本当に小さな声で呟く大野さん


思わず横を見ると、お道化た顔でカメラに手を振ってる


「話したいんだ ・・・ 時間作って」


縋るような眼差しで見つめても聞こえない振り? ・・・

態と難しい顔で腕くみしながら俯いて


「必要ない」

って、短い返事


当然と言えば当然の答え、それでも食い下がろうとする俺を


「翔さん ・・・ 収録中です ・・・ 」

って、松本が服の裾を引っ張る ・・・


結局、それ以降 隣に座る事もなく収録は終わり控室に戻ると


一人帰り支度を済ませた大野さんが、部屋を出るところだった


「お疲れ」

それだけ言って帰ろうとする貴方に向かって


「待って ・・・ 話しがしたいって言ったでしょ

 そこまで俺を避ける意味って何?

 そんなに俺が嫌い?俺はまだ智君が ・・・」


そう言いかけた言葉を遮って、

俺の両肩を掴んで壁に押し付けて、低くどすの利いた声で



「そう言わなかったっけ ・・・ 言ったよな ・・・ 

 お前は聞いたはずだけど

 俺はまだ? ・・・ なに?その先は口に出していい事じゃない

 飲み込むんだな ・・・ 聞きたくもない ・・・ 

 これ以上俺を失望させんな ・・・ 

 仕事以外は付き合う気はない ・・・ そのつもりで」


そう吐き捨てる

俺を睨みつけた瞳は ・・・ 怖いくらい冷ややかで 

・・・ それなのに瞳の奥の奥に見え隠れする想い ・・・

俺だけが知ってる貴方がそこに居た ・・・


冷たい眼差しを見つめ返しながら


「なんで事務所に報告してた事隠してたの

 俺の事守ってくれてたんだよね?

 じゃあ、俺にも守らせてよ ・・・ 何と闘ってるの? ・・・ 

 一人で ・・・ ねえ ・・・」

って訊ねると


冷ややかな顔に不敵な笑みが加わる


「お前 頭沸いてんじゃねぇの ・・・ 今更蒸し返す意味は ・・・

 クフフ ・・・ お優しい櫻井君は振られたことを認めたくないって事なんだ

 良いよ、振られてあげる ・・・ これでいい

 ・・・ 二度と俺に関わろうとするな ・・・ 守るべき相手は俺じゃない

 ・・・ お前の相手は ・・・ 雅紀 ・・・ だろ」


貴方は俺の肩から手を離して

満面の笑みで俺を見て


「翔君、お疲れ様 ・・・ お先に」

それだけ言って、部屋を出て行った



俺は最低の男だよ ・・・ 淋しさを雅紀で埋めて

それでも貴方を欲しがってる

今は形振りなどかまってられない ・・・ 確かめないと



貴方が出て行った後、駆け込むように二宮が松本が部屋に入ってきた



「「大野さんは?」」

二人同時に俺に訊ねる


「今帰ったけど ・・・ 何か用があったの」

白々しく訊ねると



「別に ・・・ 何もありません」

そう言って、二人とも帰り支度を始める


一番最後に雅紀が部屋に戻って来て


両手をぎゅっと握り締めて

その手が微かに震えてる


「ねえ ・・・ 二人とも知ってるんでしょ?

 大ちゃんに何か有ったよね ・・・ 俺に ・・・ 俺達に教えて


 このままだと大ちゃんが壊れちゃう ・・・

 

 ・・・ 泣くことも叫ぶ事も出来ない ・・・ 空っぽの器になっちゃう

 俺のせいだから ・・・ 俺が追いつめたんだ ・・・


 翔ちゃん ・・・ 俺達 ・・・ 別れよう ・・・


 大ちゃんの代わりになんてなれないって分かってたのに

 人を傷つけて平気でいられるほど俺達は強くなかった

 人の不幸の上に成り立つ恋なんて有っちゃいけないんだ

 略奪愛なんて、一番苦手な事なのに ・・・ 俺 ・・・ バカだから


 

  ・・・ 俺達は ・・・ 大ちゃんの泪まで奪ったんだ

  取り返しがつかないことしたんだ」


って、絞りだすように ・・・ それでも真っ直ぐに二人を、そして俺を見た 


 


「別れて許されますか?

 ここで貴方が罪悪感で別れて大野さんが喜びますか?」

そう言って、二宮が冷ややかな眼差しで見つめる




「相葉さんの気持ち分からないでもないけど ・・・ 勝手だよね

 大野さんの為に別れる? 

 それを知った大野さんはもっと傷つくんじゃない

 あの人は許してるよ二人の事、なのに大野さんの為って ・・・


 生半可な気持ちで始めたんじゃないでしょ

 好きでどうしようもなかったから欲しがったんでしょ ・・・


 代わりになれないって ・・・ 最初は覚悟の上だったでしょ

 それに翔さんが選んだ相手は貴方


 それなら堂々と幸せになりなさいよ

 それが優しさだと思うんだ 

 

 仮に、大野さんの中に翔さんへの気持ちが残っていたとしても

 それは時間と共に薄れていく

 それも許してあげられないの ・・・ 」


松本が冷静な顔で、辛辣な言葉を並べていく


 「相葉さん、大野さんは二人の事で悩んでなんていません

  だから別れる必要もないんです

  翔さんだって気が付いているんでしょ

  二人の事が原因じゃないって事くらいは」


俺に向けられた二宮の瞳は真剣に何かを探ろうとしてる


「雅紀 ・・・ 俺達の事は俺達で話し合おう ・・・

 あの人と切り離して考えるべき事だから


 ニノの言う通りだよ ・・・ あの人の悩みは俺達の事じゃない

 だけど ・・・ 何かを抱えてるんだ ・・・ その何かを知りたい

 ニノ ・・・ 松本 ・・・ 知ってる事があったら教えて欲しい

 あの人の背負ってる物ってなんだ ・・・

 そこまで取り乱すことって ・・・ 頼む ・・・ 知ってるなら教えてくれ」


あの笑顔を取り戻せるなら、どんな事でもする

 


「それが分かれば苦労しない ・・・ 

 誰もあの人の苦悩を知らない

 すみません、俺追いかけますから」

淋しそうな顔でそう告げた二宮が部屋を出て行った


「翔さん、相葉さんのフォローお願いしますね」

そう言って、後を追う様に松本も出て行った



「翔ちゃん ・・・ 俺 ・・・ 考えが浅はかなのかな

 でも心配なんだ ・・・ 笑ってるからって ・・・ 本心じゃない ・・・

 泣きたくても泣けないんだ ・・・・・・ 傷つけといて ・・・

 信用して貰えないかもしれないけど、大ちゃんの事も大好きなんだ」


今にも泣き出しそうな顔で悲しそうに笑う

雅紀はある意味純粋だから ・・・ 



「雅紀 ・・・ 俺達の事で責められるのは雅紀じゃなくて俺だよ

 甘えてたんだ ・・・ あの人とは違う愛情を感じてた

 お前といるとホッとした ・・・ 愛されてるって ・・・ それで良いんだって

 俺は狡るくて最低な人間 ・・・ お前に言わせてしまった  ・・・

 悩んでるのの知ってて見ない振りして ・・・ 悪かったって思ってる ・・・ 

 ・・・ 別れる?別れない? ・・・ どうしたい? 

 ・・・ またズルイな俺 ・・・  」



「ズルイのはお互い様だよ、俺はそこに付け込んだ

 愛されたいって思ってる弱い部分に ・・・・

 

 でも、気が付いたんでしょ ・・・  大ちゃんに愛されてたって ・・・ 

 だから戸惑って ・・・ 焦って ・・・ それでも俺に別れたいって言えなくて

 

 俺を抱きながら誰を想ってた?

 

 一度だけ ・・・ 寝言で大ちゃんの名前呼んだことがある ・・・

 『智 ・・・ 愛してる』 ・・・って ・・・ その時は悔しくて唇を塞いだよ ・・・


 無意識に呼ぶ相手は大ちゃん ・・・ まだ愛してるんだって


 それからは 『愛してるよ』 の言葉は信じてなかった

  

 それでも、いつか俺だけの物になってくれるって信じてた

 だから傍を離れたくなかった、別れたくなかったんだ ・・・


 今だって ・・・ 翔ちゃんの温もりが欲しいよ ・・・

 だけど ・・・ 体だけ温め合っても ・・・ 心が別の所にあるなら

 ・・・ それは愛じゃない ・・・ いらない ・・・」



雅紀の事、愛してる ・・・ その気持ちに嘘はない

ただ ・・・ 狂おしいほど求めてるのは 

・・・・ ごめん ・・・ 雅紀じゃなかった



「お前の事愛してるのは嘘じゃない

 欲求を満たす為だけに抱いた事なんて一度もない

 それだけは信じて欲しい ・・・

 穏やかな毎日を過ごしたいって思ってた ・・・ 雅紀となら出来るって

 ごめん ・・・ なのに消えてくれないんだ ・・・ ずっと燻り続ける想いが ・・・

 時間が立てば消えるって思ってた ・・・ なのにあの人の ・・・ 

 あの感情を捨てた顔が ・・・ 頭から離れないんだ ・・・

 やり直したなんて烏滸がましい事を考えてはいない

 ただ、あの人が昔みたいに笑ってくれるなら力になりたいって ・・・ それだけなんだ

 ただ、俺達が別れたと知ったら、あの人はもっと苦しむだろう ・・・

 雅紀 どうしたらいい ・・・ 俺にも分からないんだ ・・・」


雅紀は、大きくため息をついて


「ふふっ ・・・ 俺、傍にいるよ翔ちゃんの ・・・

 だから大ちゃんの為に頑張って ・・・・・・ ずっと寄り添うよ ・・・ 

 俺の気持ちは、それでもまだ翔ちゃんが好きって言ってる

 抱いて欲しいって言うかもしれない、kissしてて言うかもしれない

 その時、どうしてくれる?それが答えでしょ ・・・

 そうだね、別れたって言ったら大ちゃんが苦しむね ・・・

 まだ、別れない ・・・ 少しずつ俺の傍から離れて行って」


そう言って、泣きそうな顔で笑った



雅紀の優しさに涙が零れそうになった



「雅紀、それなら手伝ってくれる?

 あの人が抱える物が何か、その荷物を下ろすために」



「うん、それなら協力する」


 

さっき二宮はあの人の苦悩って言った ・・・ 

その事は誰も知らないって ・・・



あの人が急に冷たくなった頃、頻繁に連絡を取ってた人 ・・・・

多分彼なら知ってるはず ・・・




<続きます>