大切でも最優先でも … 友人には変わりない
その言葉が胸に突き刺さって
痛くて … 悲しくて
嬉しい言葉なのに、特別にはなれないって
突き放されたみたいなんだ
笑ってる自信ないから
必死伝えたのに …
櫻井さんに伝わらない
閉まるドアをボンヤリ見つめながら
これ以上優しくされたらオイラ勘違いしちゃう
でも、ちゃんと言われたから …
望まなければいいんだ … 友達だから
そう自分に言い聞かせて想いに蓋をした
手洗いとうがいをして
着替えないままベッドに寝転がった
なんだか凄く疲れて … 体より心が痛い
一人舞い上がって凹んでドキドキして
仕方ないよね、オイラの気持ち知らないんだから
櫻井さんは優しい人なんだ
でも、少し変わってるオイラに関わろうとしてる所
なんにも面白くないし
なんの特にもならない
考えたら … 頭が沸騰しそう …
一緒にお昼食べたら帰って貰おう
そんな事考えながら
いつのまにか寝てた
額に何かが … うん … 何?
何かが触れた … 指先? …
温かくて … 柔らかい …
無意識に額に手をやると、手首を優しく掴まれて
「大野さん … 大野さん、起きて下さい
寝るのなら、薬飲まないとね
買ってきたスープ温めましたから」
って、優しげな声が聞こえる
瞼を開けたら、櫻井さんの顔が目の前に
吃驚して、目をぱちくりさせて見つめると
櫻井さんの頬がほんのり紅い
風邪!移しちゃった
慌てて起き上がろうしたら
「ゆっくりでいいですよ
慌てないで … ね
まだ少しだけ熱があるから」
そう言ってオイラの肩に手を添える
「櫻井さん、頬が紅いから
もしかしたら、オイラの風邪移ったかも…」
って、慌て訊ねると
曖昧に笑って
「 … 紅い? … ないですよ …
ううん … 気のせいです … 食べましょ
スープ … ご飯 …」
って、しどろもどろになってて
その顔が可笑しくて、思わず吹き出したら
「やっと笑ってくれた」
って、ホッとした顔で呟いて微笑んだ
後にも先にも、こんな機会ないから
今日だけ甘えさせて貰おう
櫻井さんはローテーブルの上に
温めたスープとお粥?みたいなもの
それとカットされたフルーツ … リンゴとメロン
プリンとゼリー
それから、櫻井さんようのお弁当を運んで
ところ狭しと並べた
誰が食べるんだろう
こんな沢山 …
キョトンとした顔で見つめると
「 何がいいかわからなくて
口当たりの良いもの食べて下さい
無理に沢山は食べなくてもいいですよ」
そう言って、優しく笑うから …
オイラ … 諦められないよ …
だから、好きでいるのは良いよね …
絶対伝えないし迷惑はかけないなら
「 … ありがとう …
頑張って食べます … 早く治さないと」
テーブルの前に座ると
肩が触れる位置に櫻井さんも座った
どうしよう … またドキドキしてきた …
〈続きます〉