5分間の恋 33 | 瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

大野君に魅せられ、重症サトシックのおばさんです。
年甲斐もなく智愛叫んでます。
お名前をお借りして腐小説を書いています。
ご理解いただける方のみお入り下さい。

男性の方のご入室はご遠慮下さい。

俺に背を向けて眠ってる大野さん

ブランケットを頭まで被ってるから

全く表情を窺うことは出来ない


ずっと熱っぽい顔してたから、体がだるいのかも知れない

触れてる背中の体温は少し高めだから

眠れるように、ゆっくりと間を置いて小さく叩いてた



「着いたら起こしますね」

って、小さい声で伝えたけど ・・・ 返事はなかった



車をマンションの横に付けて

眠ってる大野さんの肩を叩く


「大野さん、着きましたよ」

そう声を掛けて

ブランケットをずらして、大野さんの顔を覗き込んだら


触れた方がビクッと動いて


「ごめんなさい ・・・ 眠ってって ・・・」

って、眼を擦りながら起き上がって俺の顔を見つめる


少し寝惚けまなこの大野さん ・・・ 可愛い ・・・

思わず見惚れる ・・・ 毎日でも見ていたい ・・・


大野さんが怪訝な顔でじっと見つめてる


「先に部屋まで送っていきます

 それから、車を近くのパーキングに駐車してきてお部屋に伺いますから

 何か食べないと薬も飲めないでしょ」



さっき買って来たスープを温めて

ご飯があればいいんだけど、お粥ってどう作るんだろう

何とかなるか、プリントゼリーもあるし果物も

口当たりが良い物を食べて貰えば



大野さんは、恐縮した顔で


「あの ・・・ 今日はありがとうございました

 病院まで連れて行ってくれて、さっきのタクシー代払います

 だいぶ楽になったから ・・・ 櫻井さんのお蔭です 

 貴重なお休みなのに付き合って貰って ・・・ すみませんでした

 ここで ・・・ ここで大丈夫ですから」


頭をペコって下げて、ブランケットを綺麗にたたんで

それを、俺の膝の上にのせた



「だめです ・・・ 朝も、病院でも言いましたよね

 今日は付き添いますって、その為にお休みも取ったんです

 遠慮しないで下さい ・・・ 俺の最優先だって ・・・

 それより早く休まないと、ドア開けますから 」



ここで帰れって言われても ・・・ いやいや1日一緒に居たいって思ってるのに

大野さんは困った顔をして、ドアを開けようとするから

慌てて運転席から外に出て、助手席の扉の前に走った



「櫻井さん、オイラ歩けるから

 熱も下がったと思うし ・・・ 一人で大丈夫」


そう言って、大野さんが淋しそうに笑う



「さっきまで背中を触ってたけど、まだ熱はありますよ」


有無を言わせず、両肩に手を添えて階段を上る

大野さんは俯いたまま、俺を見てくれない


「鍵、開けますよ」


「あっ ・・・ 鍵 ・・・ 」

ポケットから取り出した鍵を受け取ってドアを開ける



「車止めてきますから、寝ててくださいね」


そう伝えて出て行こうとすると

俺の腕を掴んで、頭を左右に振って



「櫻井さん ・・・ オイラのために貴重な休み使っちゃダメ

 それに、風邪を移しっちゃったら困るでしょ ・・・

 寝てれば大丈夫、食べ物も買って来てくれたし

 これ以上して貰ったら、オイラ何にも ・・・ お返しが出来ない 

 ・・・ 友達にそこまで甘えたらダメでしょ ・・・

 あっ ・・・ タクシー代」


そう言って、財布からお金を出して俺に渡そうとする



「お返しって ・・・ 俺が好きでやってるんです ・・・

 分かりました、タクシー代は頂きます

 でも、帰りませんから

 俺にとっては大切な ・・・ 大切な友人ですから ・・・

 俺の最優先だって言いましたよね、困ってる時は傍にいたい 

 ・・・ 遠慮しないで、水臭いでしょ ・・・ 

 車を止めたら自分の食べ物も買ってきます

 お昼一緒に食べましょう、お腹に何か入れないと薬飲めませんから

 それから俺、体力には自信があるので風邪は引きません

 心配しなくても大丈夫です

 ベッドで休んでいてください」


戸惑った顔の大野さんが、何か言おうと口を開きかけたので

その言葉を遮って


「一緒に居たいんです、迷惑ですか?」

って、真面目な顔で見つめると


「迷惑じゃないです ・・・ でも ・・・ なんでオイラと ・・・ とも ・・・」


良かった ・・・迷惑って言われたら ・・・ 立ち直れない ・・・

それなら最後まで聞かずに、ここは強引にいかないと


「じゃあ、待っててくださいね」

それだけ言って、外に飛び出した



さっきの表情では読めない ・・・ 

必死に笑顔を作ってるように見えたんだけど

もしかして、ホントは迷惑なんだろうか ・・・

強引に出てきたのは良いけど、嫌われたら元も子もない ・・・

 


でも、一緒に居たい気持ちは抑えられない

止まれないんだ ・・・ 走り出してしまったから ・・・








<続きます>