A Sweet Moment 60 | 瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

大野君に魅せられ、重症サトシックのおばさんです。
年甲斐もなく智愛叫んでます。
お名前をお借りして腐小説を書いています。
ご理解いただける方のみお入り下さい。

男性の方のご入室はご遠慮下さい。

体育館はカーテンが閉められ、ステージにスポットライトが当たってる

演劇部が最終幕に入ったばかり

一番後ろの壁に凭れて立ってるマスターの傍に行くと


「智、櫻井君は見つかった」

って、小さい声で訊ねる


「うん、 トイレにいた ・・・ 緊張してるのかな」

そう答えると、クスッと笑って


「誰でも緊張するだろ ・・・ 

 まぁ、去年のだれかさん達は緊張してなかったな」


って、 ・・・ どういう意味だよ ・・・ 俺も普通の学生だった ・・・


「緊張してたよ ・・・ 少しは ・・・

 でも、ダンスするのが楽しくてワクワクしてた方が勝ってたかもしれない」



「どうするか決めたの?」



「何を?」

って、白々しく答える


質問の意味は分かってる

迷ってはいない ・・・ まだ誰にも言うつもりは無い



「決めたんだな ・・・ 好きな事やれば良い

 若いんだから、失敗したらやり直せる

 回り道大いに結構 ・・・ 決めたなら迷うな 

 彼の事が心配?」



「彼奴は彼奴の夢があるから ・・・ 邪魔するつもりは無いよ

 話し合うよ ・・・ 合格したら ・・・

 それまでは心配かけたくない、 今一番大切な時期だから」


そう答えると、真面目な声で


「隠して支えるのはキツイぞ

 愚痴ならいつでも聞いてやる、一人で抱え込むな

 それだけは憶えて置いて ・・・ 

 バイト募集しなきゃいけないな ・・・ 智の代わりか ・・・」


「俺、クビなの?困ったなぁ」

って、おどけて見せると



「続けてくれるなら有りがたいけど ・・・ 」


って、クスクス笑ってた



演劇部の演目が終わり、席を立って帰る人が通り過ぎることを待って

最前列に腰掛ける


「真ん前に座ったら、4人とも緊張するだろう」

って、マスターが呆れた顔で俺を見るから



「今日は見届けなきゃいけないんだ

 彼奴たちがこの夏、必死に頑張ってきたダンス

 この目に焼き付けないとね」



「誰か録画してる?」

って、心配そうな顔をして訊ねる


「相葉ちゃんが頼んだみたいです

 後でダビングして渡してくれるって」



「思い出だからね ・・・ ちゃんと撮っておかなきゃ

 智は俺に頼んだから焦ったよ

 まぁ、等も来たから彼奴に全部任せたけど」



「そんな事だろうって思った、だから綺麗に撮れてたんだ」


マスターは首を竦めて


「機械音痴でね ・・・ 綺麗に撮れたんだからOKだろ

 そろそろ始まるな 」


真っ暗なステージに出てきた4人は それぞれ所定の位置について

音楽が鳴るのを待ってる


 

自分の時より緊張する

ちゃんとできるかな ・・・ 手に汗が ・・・



スポットライトがステージの4人を照らして

翔君が一番に俺の顔を見つめた


俺は大きく頷くと、翔君も大きく頷いた


固いな ・・・ 笑顔だって言っただろ ・・・ 

4人とも緊張してる、一番引きつってるのは相葉ちゃんだ

松本君も笑顔が半減 ・・・ こいつこんなに緊張するんだ


二宮君の笑顔は最高 ・・・ 彼はポーカーフェイスだから

翔君 ・・・ 音がするくらい ぎこちない 



翔君に向かって、笑顔だってアピールしても届いてない?



楽しんで ・・・ 今日まで頑張って来たんだ4人とも自信をもって




踊りだせば大丈夫、固かった顔も柔らかくなってきて

4人とも輝いてる ・・・ 翔君がキラキラしてる

心配してたソロパートも難なくこなして



最後の見せ場

アクセントダンスから一番ハードなダンスに

リズムに乗って、熱い思いが伝わってくる


滴る汗 ・・・ 努力が結実した日だね



最後のポーズで、思わず立ち上がって



ブラボーって叫んでた 



良かったよ、拍手しながら涙流してた



ありがとう楽しい夏を過ごせた

相葉ちゃんに感謝しなきゃ

翔君と一緒に高校生活を過ごしたみたいだった



ステージの4人も薄っすらと涙ぐんでる 



アンコールの拍手で吃驚する4人

そのくせ、ちゃんと曲を用意してたよね



ホッとしたのか、一番いい笑顔でアンコールのダンスを踊ってた



「マスター、俺、彼奴らが出てくるの外で待ってるから

 下駄箱の所で待ってて」

そう言うと

笑顔で「了解」って言って、早く行けって送り出してくれた



体育館脇で待ってると

高揚した顔の4人が外に出てきた



相葉ちゃんが翔君に抱き付いて泣いてる

松本君が俺に抱き付いて


「超楽しかった」

って呟く


二宮君が、相葉ちゃんの背中を叩いて


「泣いてないで、大野さんにお礼言わなきゃ」

そう言われて、慌てて俺の方を向いて


今度は俺に抱き付いて


「大ちゃん、ありがとう ・・・ 楽しかった」

って、まだグスグスしてる


「みんな凄く輝いてた ・・・ カッコよかった

 翔君、両立大変だったけど上手に踊れてた

 相葉ちゃん、松本君、二宮君、それぞれのソロカッコよかった

 最後のダンスは鳥肌たった ・・・ ホントに楽しそうだった

 いいもの見せて貰ったありがとう ・・・ お疲れ様 

 この後もあるんでしょ ・・・ 俺はマスターと帰るから

 

 そうだ、1年生の二人はまだ仕事があるね

 翔君、写真撮ったら送って、楽しみに待ってるから」


そう言うと、二人が不機嫌そうな顔をして


「「あまりうれしくない」」

って、ブツブツ文句を言ってる



「打ち上げの料理作って待ってるから」



「終わったら、カンテラに行きます」

やっと笑顔になった相葉ちゃんが手を振る 

 


「大野さん ・・・ 玄関まで送ります」


そう言って翔君が、慌てて俺の傍まで来た


3人に手を振って歩きはじめる


「大野さんの顔見たらホッとした 

 笑顔笑顔って言ってくれたから

 大野さん、すっご貴重な経験した

 ありがとう ・・・ 二人の夏って気がしてる」



「だね ・・・ よく頑張った ・・・

 最初はどうなることかって思ったけどね」


そう言うと、翔君は苦笑いして


「俺 ・・・ 大野さんがいてくれるだけで幸せ」

って、嬉しそうな顔で見つめる


「そんな顔で見ないの ・・・ 抱きしめたくなっちゃうでしょ

 ここでいいよ ・・・ ホントに我慢できなくなるから

 カンテラで待ってる、皆の所に戻って」


そう言うと、名残惜しそうに


「ケチ ・・・ 送らせてよ」

って拗ねた顔をする


クスクス笑って頷くと

玄関まで送ってきてくれて、マスターに挨拶して戻っていった







 







<続きます>