当主の奮闘 43 | 瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

大野君に魅せられ、重症サトシックのおばさんです。
年甲斐もなく智愛叫んでます。
お名前をお借りして腐小説を書いています。
ご理解いただける方のみお入り下さい。

男性の方のご入室はご遠慮下さい。

謎は全て解けた … ってカッコよく言いたい処だけど
情けないことに場所が思い浮かばない

星空 … 星空は家の小川からだって見える
なんでここじゃないって言い切れる
おふくろは何をもって、断言したのだろう

頭を悩ませる事が多すぎだよ
俺って本当に頭が固いのかも…

ソファーに腰かけて、キャンバスの絵を眺めてると
マサキが部屋に入って来た

「ショウちゃん、お邪魔するね
サトシの事、何か分かった?」
って、心配そうに俺の瞳を覗き込む

「居場所すら分からない、お手上げ状態
今月いっぱい迄に辿り着かないと
もう会えないかもな …」

ちょっと弱気な発言 … でも、心が折れそうなんだ


「何、弱音吐いてんの … らしくないよ

ブルームーンの謎が解けたんなら
後は場所だけでしょ
もしかして、この絵の場所じゃない?」
って、ニッコリ笑う

「マサキは気が付いてたの?」

笑顔の横顔を見つめると

「サトシが言ってたんだ
今月は満月が二回あるって
それに8月に入ると流星群だっけ?が観られるから
両方ショウちゃんに観せてあげたいって
いっつも、顰めっ面してるから
たまには息抜きが必要だって…」

そう言えば、疲れてる時は必ず話掛けてくれてた
サトシに叱られても、嫌じゃなかった
寧ろ、一緒にいてくれるだけで癒されてた


心折れてる場合じゃないのに …

「マサキは仲が良かったんだな … 羨ましい
もっと話をすれば良かった」

気持ちとは裏腹で、出てくる言葉は後悔ばかり

「何が羨ましいの、あんなに気に掛けて貰って
俺の方が羨ましいよ…
楽しかったなぁ … 一緒にいて疲れない人なんだ
温かくて、優しくて … 口は悪かったけどね
ここが好きだって言ってた … もう会えないなんて
絶対イヤだから、ショウちゃん頑張って
俺、力になるから」

そう言って、俺の背中をポンと叩いた
励まされてばっかりだな …

「ありがとう、おふくろがこの絵に惑わされるなって言ったんだ
どういうことだと思う?ここじゃないって事なのかな…」

じっと絵を見詰めてたマサキが
真剣な顔をして

「そうか …」


「何?何か分かったの?」


「二人で会いたいなら、三人で過ごした場所を選ばないんじゃない
つまり、ここじゃないって事だよ
満天の星空が見える場所
家の敷地の小川は、川沿いに木が沢山あるから
この絵の場所からは、満天の星空は見えない
小さい頃二人で行った場所、あるんじゃない
思い出して、俺も頑張るから」

俺よりしっかりしてる

「… マサキは頼りになる男だって
思いやりがあって、よく気がつく
何より、人を笑顔にしてくれる天性の明るさがあるってサトシが言ってた
あの人はよく見てるんだ…
思い出してみる、必ずたどり着いてみせるから」

俺の話を黙って聞いて
照れ臭そうにうつむいて

「サトシは誰のことも褒るんだ
でも、嘘はつかない
本当の事しか言わない
だから … それ聞いただけで凄く嬉しい
俺に取ってはもう一人の兄ちゃんなんだ
諦めないでね!!
サトシを捕まえて、絶対だからね」

俺はなんにも気がつかないまま
毎日を過ごしてたんだな …

「どんな話をしたか教えて」
少しでもあの人のことが知りたい

マサキは笑顔で頷いて

「じゃあ、一晩中サトシの話する」
って、おどけて俺を笑顔にしてくれた


俺たちは夜通しサトシの話をしていた