当主の戦い 38 | 瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

大野君に魅せられ、重症サトシックのおばさんです。
年甲斐もなく智愛叫んでます。
お名前をお借りして腐小説を書いています。
ご理解いただける方のみお入り下さい。

男性の方のご入室はご遠慮下さい。

親父が戻ってきた ・・・ 

お気楽な顔をしてソファーに座ってる


「お帰りなさい、随分、長い旅行でしたね ・・・ 」

苦々しい顔で嫌味を込めて挨拶する



「のんびりさせて貰ったよ ・・・ ところで殿下はどちらに?」

って、白々しい顔で訊ねるから


「殿下ってどちらの殿下ですか?

 そもそも、サトシがこの国の王子だって伺っておりません」


そう答えると


「この国の王子の顔を知らない方が可笑しいだろう

 つまりは何も見ていないって事じゃないかな」

って憮然とした顔で睨みつけられる



確かに ・・・ 興味のない事は知ろうと思わない

俺の性格のなせる業



「お言葉を返すようですが

 仕事が忙しくて、海外留学されていた王子の事まで把握しておりません」



「それはそれは、それより現れたのか?お前の婚約者

 必ず現れるといっていただろ ・・・」



早速本題ですか ・・・


「婚約者 ・・・ 現れましたよ話もしました

 親父もずるいですね、俺の初恋の相手、運命の相手は王子だと知っていて

 俺を試したんですよね?」



親父は可笑しそうに笑って


「お前は気が付かなかったんだろ?

 1年以上同じ屋根の下で暮らしていても

 相手が殿下だって事は分からなかったと聞いている

 そもそも、ずっと女の子だと思っていたんだろ」



「だったらどうだって言うんですか?

 俺は、間違っていませんでしたよ

 確かに女性は現れなかった

 でも好きになった相手は間違ってはいなかった

 当主の心得に縛られて、相手を女性に変換していただけです

 好きになったのはサトシ、昔も今も同じ人です」



親父は呆気にとられた顔をして


「それは ・・・ どういうことだ?」



「だから、俺の好きになった人はサトシ

 間違ってない、いまも大好きなんだから 

 当主の心得、優秀な跡継ぎを育てることですか?

 意に沿わない結婚はしません」



親父は真っ赤な顔をして


「言っている事の意味を分かっているのか?

 相手は男で、この国の王子なんだぞ

 笑わせないでくれ、見合いが嫌だからって

 寝言は寝てる時に言ってくれ


って、怒鳴りつける



「親父がややこしい事をするからだろ

 何故試す様なことをしたんだ」



こっちもヒートアップして、大きな声になってしまう



「お前の言う事が正しいのなら、何故気が付かなかった

 殿下から、「いつ戻られても良い、ご子息は立派な当主になられた」

 とお言葉を頂いた ・・・ もしお前の想いを知ってたら

 もう少し違う言葉になったのではないのか


 今まで待ってやったんだ

 相手がいないのなら見合いをして貰う、この家の為にも」



俺の気持ちは無視 ・・・ ずっとそうだった

家の為、良い家柄の娘と結婚して子をもうけ

立派な跡継ぎを育てろって言われ続けた 




「見合いはしない、不服なら勘当しますか?

 俺はそれでも構わない ・・・ マサキを当主にすればいい

 それとも親父が返り咲きますか?」



ここは引けない ・・・ 俺の人生なんだ

例え、サトシに受け止めて貰えなくても

自分の選んだ道を歩くって決めたから




「少しは頭を冷やしなさい

 気持ちが昂ぶっているだけだ、落ち着いたら考えも変わる

 お前は優秀な人間だろ ・・・ 殿下の立場も考えなさい

 この話はここまでで良いだろ

 見合いが嫌なら、好きな女性と結婚しなさい

 譲歩できるのはそこまでだ」


そう言って、席を立って出て行こうとする



「無駄ですよ、一番好きな相手に出会っているのに

 それ以外の人を好きになんてなれないから

 譲歩は必要ありません」



親父の背中に向かって、冷たく吐き捨てた言葉

その言葉に答えることなく部屋を出て行った




諸手をあげて賛成なんて思っていない

自分で切り開いていく ・・・ 勘当されたら一から始める





やっと自分の本心を言えた