Another world 16 | 瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

大野君に魅せられ、重症サトシックのおばさんです。
年甲斐もなく智愛叫んでます。
お名前をお借りして腐小説を書いています。
ご理解いただける方のみお入り下さい。

男性の方のご入室はご遠慮下さい。

いつからだろう、君の姿を追い始めたのは
傍に座って、華やかに笑う君が眩しくて


好き … その気持ちに鍵を掛けて、気づかない振りをした
傍にいるだけで満足だから


若かった頃は、体の熱を吐き出す為に女を抱いた
その度に感じる虚無感 …
体は満たされても、心は渇いたまま

そのうち、その行為すら面倒になった
渇いた心が望むもの …


たどり着いた答え … 欲しいのは君 … 君の全て

だから夢の中で愛された
それだけで … 満たされた

この想いは認められない
君に知られたくなかった、軽蔑されるのが怖くて


そんな時 … 君が男を抱いてるって知った



行きつけの店で一人で飲んでいる時
声を掛けてきた若い男
背格好はオイラと同じくらいの、今どきのイケメン


オイラの顔を見て
「あの … 今晩付き合ってもらえませんか」
って言った



訳の解らない奴 … 関わらない方が得策
黙っていると


「どっちでも大丈夫です、右でも左でも」


やっぱり、こいつアタマがイカれてる
そんな誘いに乗る奴がいるのか…
そもそも、男に興味はねぇ


「他を当たれ」
そう言って一瞥すれば


返ってきた言葉は、耳を疑うものだった


「俺、翔さんのセフレです」

どこの翔さんだ
生憎、騙されるほどおめでたくない


君が遊んでるのは知っていた
健全な男なら当然の事、別段気にはならない

だけど男って … はなからこいつは信用してない


「ふ~ん じゃあそっち行けば」
って冷たく言い放つ


「信用してないんすね … じゃあこのアドレス見て下さい」


そう言って見せられた、君のアドレス
それでも、知らん振りをすると
目の前で電話を掛ける

携帯から聞こえてきたのは … 君の声
その上次の約束まで取りつけた


その電話を切って

「俺、アンタに興味があるんだ」


用心深い君の相手が、こんな男

こいつはダメだ危険すぎる
悪いけど切れてもらう


「で、どうすれば良い?」
話に乗る振りをして聞けば


「今日の約束はキャンセルだったんだ、予約したホテルはそのままだから
そこで待ってます … 来ますよね」

って、ニヤリと笑った



「必ず行く、先に行って待ってろ」

そう言うと、ホテルと部屋番号を書いたメモをテーブルに置いた


待ってますと肩を叩いて、そいつは店を出て行った


すぐさま、マネージャーに連絡する
ホテルに着くと、すでにマネージャーは到着していた
打ち合わせをして、一人部屋に向かう


翔君の性格を知っているから、マネージャーは言わないだろう
知ったら、あの男ただでは済まない


部屋に入るとベッドに腰掛けて待っていた


「来てくれたんだ、帰ったと思った」
って、厭らしく笑った



その顔、その声 … 虫酸が走る


「何で、俺に声掛けた?」



「翔さんが好きな男を一度抱いてみたかった
あの人が手に入れたくても手に入らない
アンタを汚してやりたくて」

って声あげて笑った



その汚い口で名前を呼ぶな
それだけであたまに血が昇る
握った拳を後ろに隠し、冷静に…


「なんか勘違いしてないか
アイツが俺を好きなわけないだろう」


そう冷たく吐き捨てると


「なんにも知らないんですね
俺を抱いてる時、一度だけアンタの名前を呼んで果てた
それで気づいた、俺はアンタの代わりなんだって」


腹いせに抱きたい訳か …


遊び相手を本気にさせて … 気付いてないだろう

甘い戯れ言 … 愛の言葉でも囁いたのか


コイツのどこが良い
沸沸と湧く怒り

君にとって致命傷になりかねない



そろそろ来る頃 … 最後の仕上げ


「別に、アイツの事は関係ない
遊んでやるよ … 満足させてやるから
シャワー浴びてこい」

そう言って、シャツのボタンをひとつずつ外し
立ち上がらせる


「一緒に入ってくれるの」

そう言って、耳元で呟くから


「すぐ入るから、バスタブに湯を … 楽しませてやるよ」

そう言って、耳元に熱い吐息を吹き掛けると


「ゾクゾクする」って言って
バスルームに消えた




気付かれないようにドアを開け
入れ替わるように廊下に出た



きちっと処理してくれるだろう
後の事は任せてホテルを後にした


その時決めたんだ

遊び相手が欲しいなら、オイラの体をあげる


なのに … オイラを好きって
体より心が欲しいと


このまま君に流されて … 二人で漂えたら
どんなに幸せだろう



だけど … 今度はオイラが君の致命傷になる




それだけは … 絶対許されない