Ray of hope 38 (翔太郎編) | 瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

大野君に魅せられ、重症サトシックのおばさんです。
年甲斐もなく智愛叫んでます。
お名前をお借りして腐小説を書いています。
ご理解いただける方のみお入り下さい。

男性の方のご入室はご遠慮下さい。

冬の重苦しい空の色を、温かい風が吹き飛ばし

柔らかい光が、あふれる季節に変わった



山一面が淡い桃色に覆われ、雲一つない空に 時折花びらが美しく舞っている



目の前の景色に圧倒されて、思わずため息を漏らす君



「あぁ ・・・ すごく綺麗 ・・・ 

 まるで桜の花の絨毯を敷いたみたいだ

 サトシ、桜にも色んな色があるんだね

 濃い色、薄い色 ・・・ こんな景色初めて見る」



君の瞳はキラキラと輝き

俺はその瞳に魅了される



「ここから見る桜が一番綺麗なんだ

 ただ、歩いてこれる場所じゃないから

 俺としか来れないけどね ・・ 

 翔太郎に見せる約束してたでしょ


 それに今日は温かいから、大丈夫だね」



そう言うと、ちょっと不服そうに



「心配し過ぎだよ ・・・・ サトシは 」

って言って、俺の顔を見つめる



「その言葉、説得力は皆無だね」

って答えると



「だって ・・・ 寒いのは ・・・ ごめん」


って小さい声で呟いてて俯いてしまった



その顔を見てクスッて笑うと

ちょっと頬を膨らませて、拗ねた顔で見つめるから

思わずその頬に手を伸ばし、そっと触れる



「明日出発だろ、準備はすんでるの?」



「うん、今日はサトシと一緒に居たかったから早く済ませた」



「しばらく忙しくなるんだろ、体に気を付けて・・・

 渡してある薬、必ず飲んで ・・・ 

 次に会えるのが、いつになるか分かんないから

 今日は少し余分に持ってきた」



そう言うと、少し寂しそうに


「会えなくても ・・・ 平気 ・・・ なの」

って呟くから



「平気じゃない ・・・ 寂しいよ ・・・ 

 だけどだ、すぐに会えるから ・・・

 翔太郎の夢を叶える為の第1歩だろ

 そんな顔しない

 俺はいつも傍にいる ・・・ 会いに行くよ」



「ホントに会いに来てくれる、絶対だよ」

って言って、嬉しそうに笑った



「そろそろ戻ろう ・・・ あまり無理してはいけないから」



そう言うと、悲しげな顔をして



「まだいいでしょ ・・・ ねぇ ・・・ どうして触れてくれないの ・・・」

って消え入りそうな声で呟いて、俯いてしまう



俺達は再会してから、まだ一度も結ばれていない


怖いんだ ・・・ 君を壊してしまいそうで

君が傍で笑って居てくれれば ・・・ それだけで幸せだから



俺は君の夢が叶うまでは ・・・ 

だけど ・・・ その先は ・・・



君を抱いてしまえば ・・・ 離れられなくなるから




俯いた君は、言った言葉に恥ずかしくなったのか

耳まで真っ赤になって ・・・ 

そのつぶらな瞳を伏せて、長い睫毛が揺れた



君を抱き寄せて

その頬を優しく包み込み、君の唇にそっと唇を寄せる


君はぎこちなくそれに応え ・・・ 

それから想いを伝えようと、俺の中に 舌 を 絡ませる



俺達は貪るように、深い口付けを繰り返す



溺れてしまう ・・・ 君に ・・・



頭の隅に残った停止信号が俺を引き止める



名残惜しそうにその唇を離し、君を抱きしめる



「今日は一緒に居たい ・・・ ずっと ・・・ サトシを感じたい」

って言いながら、俺の胸に顔を埋める




君の髪を撫で乍ら


「翔太郎が落ち着くまで待ってるから ・・・


 明日出発なのに ・・・ 無理して何かあったら困るから ・・・」


そう言って、君の顔を見ないで抱きしめる



君は何も言わないで、俺の顔を見つめて

悲しげに笑った



翔太郎の不安は感じてた ・・・

俺が触れないのは、自分の体が弱いからだって

だから ・・ 抱いてあげれば安心する事も


でもホントにいいの?

君の瞳の中に迷いが見えるから ・・・ 



何度も転生を繰り返し、心も体も弱くなっている

俺に縛られたままでは、君は壊れてしまうかもしれない



不安そうに遠くを見つめる君の横顔が切なくて



「今日は夕方まで一緒に居よう、二人でゆっくり話そう」



そう言って、君の手をぎゅっと握ると

嬉しそうに笑って、俺の手を握り返した




◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



やっぱり ・・・ 抱いてくれない ・・・ 分かってる


この冬、二度もベッドの住人になってしまった俺

その度に、俺以上に辛そうな顔をして家まで来てくれた


アナタの顔を見て、触れられると

現金な物で、翌日は起き上がれる迄回復する



だからだよね ・・・ 俺の体を気遣って ・・・



心配そうに俺を見つめる瞳が悲しくて 

俺を失う恐怖を ・・・ いつも感じてるんだ



俺は相応しいの ・・・ サトシ ・・・



東京に行くから、寂しいて言ったら一緒に来てくれるの? 



どんどん自信を無くしてく ・・・ 確証が欲しいんだ ・・・ 我儘だね




手を繋いだ所から、アナタの思いが伝わって来るから

今はそれだけで ・・・







◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



今朝、サトシが出かける前に言った事 ・・・ どういう意味なんだろう



「カズ、ちょっといい?」


そう言って、話し始めた



「もう少ししたら、爺さんの屋敷が東京にできる

爺さんから東京に来るようにって言われてるんだが、暫くは俺が通う

遅くなったり、泊りになったりする事もある

泊りの時はカズも連れて行くから、そのつもりでいてくれる


それから ・・・ もう無茶はしない ・・・ 俺が倒れる訳には行かないから

約束する ・・ だから ・・・ 多少の無茶をしても心配しないで

カズの泣き顔見るの辛いから ・・・

 

・・・夢を叶える手伝いをしたい ・・・ それまでは ・・ 」




そう言った、サトシの瞳は強い決意が見えた




夢を叶えるまで ・・・ 誰の ・・・ あの人か

それまでって ・・・ 離れられない大切な人なのに ・・・

どういう意味? ・・・




東京に移るかもしれないって事?




俺はサトシが居る所なら、どこにでも行く

傍で見ていることしかできないけど ・・・ ついて行くだけだから









<続きます>


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こんにちは

いつもの事ですね・・・進みません(-_-;)



書きだすと細かいね(汗) ・・ 焦れたいですがお付き合いください



拙いお話にお付き合いくださり

ありがとうございます