Mr. Summer time
探さないで
あの頃の私を
Mr.Summer time
あの夏の日
つぐなえる何かが欲しい
……
飼い主、その歌は?
「サーカスっていうグループの歌よ。
私が、ちょうど二十歳のとき。
カネボウ化粧品の、夏のキャンペーンソングとして出たんだけどね。
半世紀近くたって口ずさむ歌になるとは、思わなかったな。」
昭和の歌なんですね。
「昭和の夏は、よかった。
そんなことを考えていたら、自然と思い出した、昭和の歌。
本当に昭和の夏は、よかった。
夏は夏らしくはっきりしていて、次に続く秋に、潔く季節の順番を譲っていた。
だから、夏の思い出は今より価値があったように思うし、秋の物寂しさも、際立っていたんだと思う。
季節に、メリハリがあったからこそ。
【あの夏の日】なんて言葉が、ノスタルジーを感じさせるような、そんな季節のめぐり方が、昭和の時代には確かにあったと思うよ。」

今日はまた、えらい暑さだ。
内陸部では、40度なんて予報が出てる。
命の危険があるような、などという文言を、もう毎日耳にしすぎて、感覚が麻痺しそうだ。
今年は一番の猛暑といってるけど、毎年毎年それを塗り替えているだけだ。
それにしても、あとどのくらい暑さが続くのか。
「もはや、1年の半分が暑い。
1年の半分が夏だ。
今、人生100年時代っていうだろう。
だとしたら、半分の50年分を、夏として過ごすわけか?
あり得ない。」
飼い主。
計算の仕方が極端です。
「でも、考えてみてごらん。
夏は、力みなぎる季節、若さと躍動の象徴みたいに位置付けていたけど、私には、長すぎる夏は、それを維持するのはしんどくて、むしろ体力が奪われてバテてしまって、不快な汗まみれのキツい期間になってしまった。
ホットな夏どころじゃない。
耐え難い激辛の季節になるなんて。
Mr. Summer time を歌っていた頃には、思いもしなかったね。
今テレビのニュースを見ると、街行く人は、ハンディファンを手にして、ペットボトルを首に当てて、男性も日傘をさして…。
こういう風景は、想像もしなかったわ。
こんなにいつまでも暑かったら、夏のありがたみは薄れるし、同時に夏へのノスタルジーは、消え行くものとなっていくよ。
夏は、ほどほどに、夏であるべきだ。
いや、日本の魅力は、四季があることだから、どの季節も平等にあるべきだと思わないか?」
そうですね。
ボクは、最近また換毛期となり、毛が抜け始めました。
柴犬の体も、ついていけません。
年に2回の換毛が、3回4回に増えたらどうしましょう?
「昭和の柴犬はよかった。
そう言われるだろうな。」
