ボクん地方は、梅雨入りしたそうだ。

朝から降っていた本格的な雨は、昼過ぎに空が明るくなってきたのを合図に、しとしと雨に変わっていた。



ボクは、梅雨入りには関係なく、雨の日はいつも同じだ。

ただ外の小屋に入っているだけ。

いつ写真を撮られても、背景から何からみんな同じなんだ。

ズボラな飼い主は、1枚ボクの写真を撮ったら何年も使いまわしそうだが、↓これは、正真正銘今日のボクだ。







少しなら

濡れてもいいと

紫陽花が

許すその日に

沖縄は明け



今年の梅雨入りは、例年より15日も遅いという。

ボクんちの庭の紫陽花は、まだ小さな花。




紫陽花だって、知っているんだ。
紫陽花は、雨という背景があってこそ。
紫陽花と雨は、セットなんだ。
ボクと小屋がセットなのは、風情がなくて許せない。




梅雨入りも
開花と同じ
宣言を
される季節の
重鎮として





さて、飼い主の今日の断捨離の進捗状況だ。


ついに、飼い主のHANAE MORI の婚礼箪笥は、カラになった。



たくさんあった引き出しを全部出して空け、一階に下ろす。



とりあえず、テラスに運んできて積み上げた。
25個くらいある。


「こうして眺めると、もったいないなあと思う。
しかしだからといって、重い箪笥を二階にたくさん置いたままでは、この古民家の耐震性を低めるだけ。
家屋のためにも、自分の老後の安心のためにも、ここは思い切らないといけない。」


次に、二階の押し入れの天袋にしまわれたまま、ほとんど出番のなかった座布団たち。


これも、飼い主の婚礼調度のひとつだ。

実家の母が支度をしてくれたとき、飼い主は、座布団なんて10枚でいいと言った。

しかし母は、大きな農家に嫁ぐのに(注: 大きいというのは、財産家という意味ではなく、ただの大家族のこと。)、10枚ではみっともない、30枚は持って行くのが普通だと騒いだ。



たまたま、結納の後に婆様に座布団の数を尋ねたら、婆様はこう言った。

「私が嫁入りに持ってきたのは50枚だけんど、それだってまだクラヤに入ったままで、使ったことがない。

今日の席に並べたのは、その前からあったやん。

だから座布団は間に合ってるから、それよりはレンジっちゅうもん?

ご飯とか温められるやん。

蒸し器使わなくても済む、っちゅうもん。

そういうもんを揃えた方がいいら。」



それで飼い主は、母にやはり座布団は無駄だよと言ったのだが、母は

「シュートさんの言うことを真に受けたら、座布団を1枚も持って来なかった嫁だと言われる。

○子が新婚旅行に行ってる間、近所のシラ(人々)も、婚礼支度を見に来るら?

座布団は、頼むから持って行ってくれ。」

と、飼い主に懇願した。



結局、母30、飼い主10の間をとって、20枚ということでお互い折れたのだという。

まあ、何十枚でも何百枚でも、収納場所があるから構わないのだ。



だが飼い主の予想通り、持参した座布団は、ほとんど日の目を見なかった。

昔は、様々な行事を自宅で行い、人寄せが多く座布団は必要だったが、飼い主の座布団は、色が赤いので法事などには使えないと、意地悪な義理オバに言われたものだ。



「せっかく、母が縁起の良い麻の葉の柄で作ってくれたものだし、赤がダメならカバーをすればいいではないかと思ったが。

第一、婚礼調度に、最初から葬式に役立つように暗い色柄の座布団持って行くか?



そうそう。

あのオバは、私の陰口を言ってわ。

隣の嫁は、座布団30枚持って来た。

茶箪笥がないのもウチだけ、とか。

私の嫁入り支度が気に入らなかったらしい。



座布団なんか、今の私なら【笑点】みたいにオバさんの下に敷いてやって、思いっきり引き抜いてやるわ、ハハハ❕」



そんな昔話を思いだしながら、そして母への感謝とお詫びを口にしながら、飼い主は、5枚ずつ座布団の入った袋を、階段から転げ落とした。ぼけー

それが一番安全だからだ。



「エイッという一言で、断捨離はできるんだ。

いちいち思いを入れる感情の引き出しを増やしてはいけない。」

そう言いきる飼い主にも、二階から落とされたカビだらけの布団袋は、ちょっと悲しいものだったようだ。




断捨離は

梅雨の晴れ間が

あるように

ずっと土砂降り

ではないのかも



飼い主の断捨離の梅雨明けは、まだまだ先のようだ。