飼い主は、一人の夕食を終えたところだ。



一人ご飯のとき、お昼は簡単にすませるが、夕食は一応普通に作る。

普通とは、まあ、インスタントではないが手抜き気味のこと。

もともと凝ったものは作らないし、インスタ映えのための調理はしない。





まず、おそば。

面倒なので、お皿盛り。





メインは、豚肉とタケノコの炒め物。


タケノコは、このところ毎日消費しなければならない。

飼い主は、中華風にオイスターソースなどを使うのではなく、もっとあっさり塩味が好きだ。




↑この、【ねぎ塩豚丼のたれ】が気に入っている。

軽く塩コショウで炒めたあと、仕上げにたれを少し回しかけてからめる。

おなじみマジカルスパイスも、一役。

これが定番飼い主の味。





付け合わせに、キュウリの浅漬け。


液体の浅漬けのもとは少し。

顆粒状のものを多くしてもむ。

「市販のもとだけでも、十分だわ。」




味にうるさい息子がいるときは、「今日は、なにで味付けした?」と聞かれることがる。

息子は、味噌汁の味噌やちょっと使うだしの素を変えただけでも、いちいち指摘するくらい、舌も体も肥えている。

毎回「ナニナニのもと」ではなく、「酢醤油砂糖胡麻油七味唐辛子にこのタレ」などと頑張って答えるのは、一種母親の見栄とプライドだ。

息子は、うまいものはうまいとはっきり言うから、作りがいがあるといえばある。




ちなみに、夫は真逆で、どんな味でも「まあまあ」としか答えない。

飼い主の自信作でも、出来合いのものでも。

だいたい、何を食べているかも考えないのだ。

どのように美味しいか、語彙にも乏しい。

しかし。

だからこそ、ごくたまにポロリともらす【まあまあ以外の感想】に、飼い主は驚愕する。


飼い主は最近になって知ったことがふたつある。

ひとつ。

夫は、甘い卵焼きは、好きではないと言うのだ。

だから、お弁当にいれるのもあんまり‥‥だと。

20年も夫にお弁当を作っていて、初めて知り得た真実。ぼけー

息子のように、「オレはだし巻き卵がいい」と指定することもなかった20年だ。

飼い主は、この頃夫の卵焼きは、白だしとマヨネーズで作っている。

マヨネーズを入れると、冷めても固くなりにくく、卵に混ぜるときに溶けずに残ったままでも、加熱するとダマはなくなるから大丈夫だ。


ふたつ。

夫は、コロッケも好きではない。

食べ物に好き嫌いがない夫だと思っていた飼い主だけでなく、それを聞いていた息子までびっくりした。

「何で?コロッケ、おいしいじゃん。」

その時飼い主は理解した。

夫は、何にでもウスターソースを使う。

コロッケは好まないが、ウスターソースは好きだから、それをかけて食べていたに過ぎない。

「まだ私が料理できる間に、夫が好まないものをあとふたつくらい、知ることがあるだろうか?」





さて。

デザートは、キウイを1個。



「ふだん食後の果物は、男どもは食べたがらない。」



一人ご飯でも、結局飼い主は、家族の食事のことを考えてしまう。
「一家の主婦は、そんなものだ。」




飼い主、ボクはいつも一人ご飯ですよ。
他の人のご飯は、考えませんよ。