🐕️ 新しい年を迎えました。飼い主は喪中ですので、一応挨拶は控えめにしておきます。今年もよろしくご飯のほど、お願いいたします。


真顔 うむ。


🐕️ 早速ですが。この年末年始、どう過ごしているか、読者の皆様に報告を。


真顔 年の瀬は、結局大掃除をしていた。予定では、退院後は静養するはずだったが。あちこち目につくと、いてもたってもいられない、掃除をやらずにいられない。


🐕️ 飼い主は、れっきとした【むずむず脚症候群】という病気持ちですが、もう、こうなると【むずむず増し性懲りん群】ですねえ。心拍数を抑える薬より、行動を抑える薬を処方してもらえばいいのに。生まれつき、自らをしいたげる損な性分ですよ。賦生虐(ふせいぎゃく)。だから不整脈になるのでは。


真顔 入院する前にできるだけと思ってやってはいたが、まあ、【空振り入院】に終わったからね。特に静養の必要がなくなった。しかし、作業はいつもよりは少なめで、休み休み。


🐕️ 飼い主が休むとは珍しい。本当に休んでましたか?


真顔 それが、けっこうハマったことがあってさ。ほら、Xmas の頃、M1グランプリをちょっと見ただろう。好きだったサンドイッチマンとか陣内智則さんを思い出してね。懐かしくて、YOUTUBE でいろんなネタを見て、久しぶりに笑ったわ。毎日、家事の合間の息抜きにちょうど良かった。



🐕️ それで時々、涙目でヒクヒクして。


真顔 やはり、笑いは大切だ。冗談が全く通じない夫と、冗談しか通じない息子が家族ではな。
冗談じゃないわ❗と憤っていた婆様は、施設に行ったから、それは冗談抜きで気が緩んだわ。


🐕️ 他に、いつもの年末と違ったことは。


真顔 そうそう。一度外食に行った。我が家は、なかなか人が揃わないから、夕食を食べに出かけるという文化がない。それでも、私の退院祝いに、ちょっと奮発して鰻屋さんに。ずっと【櫃まぶし】が食べたかったから。とても美味しかった。





真顔 つくづく思ったわ。元気でいられて、たまには美味しいものを食べに行ける幸せ。


🐕️ 今年は、そんな機会が増えるといいですね。


真顔 そうよ。昨年は、年間通して天中殺だったから。父の介護と亡くなってからの後始末。婆様に関わること。家族は仕事が大変。自分の体調。


🐕️ ボクも、何度か迷惑をかけました。動物保険、たくさん使いましたよね。今年は、ボクも元気に過ごしたい、それが一番の目標です。飼い主の今年の抱負というのは。


真顔 大きな目標は、ないなあ。ささやかなものよ。身の回りを、調えていくことから。まず小さなリフォームやリメイクをしながら、この先の人生に必要なものだけを大事に、取捨選択。物質的にも精神的にも、ね。モノだけでなく、嫌な人間関係も、要らないものは排除。この年になったら、好まない事柄に囲まれたくない。いい意味で自分ファーストの道を造り、ならしていきたい。


🐕️ 毎年、同じこと言ってませんか。ま、大丈夫でしょう。今さらそんな宣言しなくても、飼い主は常に主者先託。


あとは、具体的にどうですか。
どこかに行きたいとか、何かを始めたいとか。


真顔 行きたいのは、京都だけ。桜の京都、楽しみだ。他に、一人で運転して行ける範囲なら、あるいは日帰りの距離なら、いくらでも制限なく行ける。泊まると、伊太郎が不調になるから、懲り懲りだ。


🐕️ それは、申し訳ない。ボクの目標を一つ増やしましょう。飼い主以外の人でも、世話をされることができるようになること。


真顔 全くだ。それと、何か始めるか、だが。始めるのではなく、学び直しかな。英語、かなり遠ざかっているから。せいらさんに、スマホの学習アプリを勧められたが、新しいのやってみようか。このスマホにも、NHK語学講座を入れてあるが、ホーム画面にアイコンがあるだけで使っていない。ちょっと受け身過ぎてつまらないんだ。で、「アプリがディープスリープ中、なんちゃら」とか、遠回しな忠告が出てきて不愉快だ。


🐕️ これも毎年聞いているような。英語、ねえ。他の言語は興味ないですか。


真顔 不思議なんだが、英語は頭に入ってくるのに、他は一切ダメ。サッパリだ。やはり気になるのは英語だけ。そういえば、さっきの【天中殺】、そのまま英語だとちょっと的外れだね。天誅は、天罰だもの。
a punishment from Heaven
天中殺は、
death by the hand of God‥‥うーむ。
しかし算命では、運勢の最も良くないとされる時期のことだろう。
だから、年頭にこう言いたい。今年は、良い運勢に❕
My star will be in a favorable position this year.


🐕️ そうですね。飼い主の運勢が良ければ、一蓮托生、ボクもそれに繋がって良いことがあるでしょう。


真顔 このところ、良い年と言える年はなかったから、今年こそは。一年択祥。


🐕️ さて。最近は、お正月気分というものが薄れてきていると、よく耳にしませんか。ここ数年のことは、ボクも見聞しています。飼い主のような高齢者なら、そういえばあのお正月は?とか、あんなお正月もあったみたいなこと、思い出しますか。昔に比べて、飼い主が「こういうことがなくなった」と気づくものはありますか。


真顔 まず良いか悪いかは別にして、私が小学生の頃は、元旦に登校する習わしだった。目的は、ただ新年の挨拶。寒い中、鼻を赤くして行った記憶がある。今のように、温かいフリースもブーツもない。そう、あの時代。色々なことを、「そういうものだ」としか思わず不便だの辛いだの思いもせず‥‥何十年かたって思い出すのは、そんなことばかり。しかし、そうして昔の寒さを知っているから、今の温かさとは何かを理解できるんじゃないか?この例ばかりじゃない。世の中が、劇的に便利になったということは、単純に言えば、精神的寒冷が減っているということ。今の世は、温暖だけを享受して‥‥


🐕️ ハア。何言ってるか意味わかりません。


真顔 それは、サンドイッチマンの、冨澤さんが挟むセリフではないか。


🐕️ 精神論でなくもっとこう、目に見えるもの、なんか。


真顔 ああ、あるわ。この頃、見なくなったわ-、
「車のお飾り」。ひと昔前までは、フロントのナンバープレートの上あたりに、ミニサイズの新年飾りを付けた車を見かけたものだ。だいたい三が日は、みんな付けていた。丁寧な人かズボラな人は、松の内くらい。今、全く見ないわ。自分もだいぶ前にやめたし。交通安全を願うものだが、いつの間にかなくなったな。何か法令でも変わったんだろうか。


🐕️ 何となく、やめていた。いつか需要がなくなるものは、ありますよね。廃れることは、仕方ないです。


真顔 需要があっても、廃れさせたいものはある。
なくなって良かった、と思う一番のことは、我が家に正月のお客が集まらなくなってきたことだ。もう、田舎の長男の嫁として、喪中以外の通算35年は、働き詰めで辛い年末年始だった。静かなお正月を過ごすことだけが、長年の夢だった。


🐕️ その点では、もう夢がかなったと。


真顔 そうなんだが、いざこうなってみると、今度は暇過ぎて、まさに手持ち無沙汰なんだ。もちろん、お客なんか迎えたくない。だが、何をしようかというとき、悲しいかな、これといって思い浮かばないんだ。なにしろここ何年も、実家とウチと2軒分の年越しの支度をしてきたから、一気になくなって、楽というより苦渋の暇になってる。この時期に出かけるのは嫌だし。都会なら選択肢はあるのに、田舎は色々損だ。


🐕️ それはありますね。では飼い主、今年は、暇な時間の過ごし方も考えないと、ですね。掃除以外。ぐうたらして散らかして、ふと出かけてしまっている若い家族を見習いましょう。


真顔 今こうしている間にも、大変な思いをしているお嫁さん、たくさんいるんだわ。その人たちに敬意を表しながら、楽をさせてもらおうか。来年も、元気に楽をして、静かに新たな年が迎えられたらいいよ。そして。世の中では、今年はどんな新しい便利なものが出てくるか、どんな世論や風潮のもとに変わってくることがあるのか。楽しみじゃないか?1年後、同じテーマで語り合えたら面白いわ。ささやかな時代の目撃者として、何かに気づけながら暮らしていけたら、いいんじゃないかと思うな。


🐕️ ほー。


真顔 分かるか?


🐕️ 分かりました。真顔 分かったか?


🐕️ かぶってますよ。陣内智則さんの、「やまびこ」というネタみたいになってます。そうだ、飼い主。まず滑らないことですよ。スベらなければ、身体的にも精神的にも、怪我はしないと思います。


真顔 心得た。




初春の
富士だけが知る
運勢を
あの青空に
書いてはくれず