飼い主は、昨日も今日も法事だ。




昨日は、お寺で。
飼い主は法事は好きではないが、お寺に行くのは好きだ。
お寺=白檀の香り、というイメージで。ぼけー



山門にましますこのお方。
飼い主は、等身大の我が身のようで、親近感をおぼえる。






「いいなあ、京都に来たみたいだ。」







飼い主、よそ見していると、またコケますよ。



「砂利道は、靴のヒールを傷める。」
などと言い、つま先立ちで歩いて、靴のつま先を傷つけた飼い主。



お寺で執り行う法事は、当然仏式だ。
前回のお葬式の際、数珠を忘れた飼い主は、今回の法要には用意してあった。
お葬式と違い、四十九日法要などは前もってわかっているからでもあるが、先月、飼い主は新しいのを買ったんだ。





今までのは、よくあるピンク系で、少し落ち着いたものにしようと、飼い主は自分の好きな緑色系統のを探したが、色的にも値段的にもまあまあだったのはこれだ。
飼い主は、忘れることがないよう、フォーマルバッグに入れっぱなしにしておくことにした。


「これは、いわゆる略式のもので、全宗派に使えるようだ。
仏式で行うお宅は、自分の家の宗派、曹洞宗とか浄土真宗とか、それぞれの宗派ごとの本式の数珠を持ち、他宗派の席に参列する時のために、略式のも用意するらしい。


今では、こういった【冠婚葬祭マナー】は、本を求めなくても、ネット検索ですぐにわかる。
ありがたいことだ。


私は、大人になって初めてのお葬式は、自分の祖母だった。
式の主催者側だし、全て父母や親戚や組内の人たちが立ち働き、学生だった私は、慌てて黒の礼服を買いに走ったこと以外、何も覚えていない。


その後就職してすぐ、同僚の親御さんが亡くなられて、弔問に行ったはいいが、なんでも見様見真似の冷や汗もの。
もちろん、仏式も神式も分からない。
社会に出る、ってこういうことだと身に沁みたね。」







「しかしこの年になっても、いまだに恥ずかしかったことはある。


例えば、御供物料として、ほんの気持ちばかりお香典に添えて差し出したいとき。
わずかな金額だから、御霊前でも安い袋があって、それに入れたんだ。
後から気がついた。
その袋には、蓮の花が印刷されていて。
蓮は、仏式のみに使うんじゃないか?
この辺りはみんな、神式だ。
最初から御供物料と書かれた袋を、切らさないようにしたり、オールマイティーに使える白いものを準備しておくべきだ。


冠婚葬祭関係の、特に弔事の袋物は、常に棚卸ししておかないと。


それらもまた、自分が困らないための防災用品だ。



まあ、お互い、どこまできちんとマナーや常識を心得ているかだ。
気が付かなったり、見過ごしてくれたり、身近な冠婚葬祭ではよくあるのかもしれないが。」




ボクんち村では、お葬式から一連の法事は、神式で行う。
ボクんちは、地区外の親戚も神式が多い。
神式では数珠は要らないからいいが、飼い主、バッグに入れておくことにしたのだから、それを忘れてわざわざ出してクローゼットに戻さぬように。





さて今日は、ご近所の親戚の法事だ。
亡くなって約1年。
神式は一年祭だ。




飼い主より二つ年下の男性だった。
これは、去年のお葬式の日に詠んだものだ。




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今日は、お焼香ではなく、玉串奉奠になる。
飼い主は、慣れた手順でも、最近忘れっぽいから復習してね。ぶー

「玉串をおしいただいて前に進み、時計回りに玉串の根元を祭壇に向けて置く。
もう一年祭だから、忍び手ではなく、柏手にて二礼二拍手一礼。」



飼い主。
無事を祈ります。





忍び手で
送りし人よ
一年の
玉串しかと
置く日は雨で