今朝、飼い主は夫に命じて、タケノコを掘らせた。
家のすぐ横はちょっとした竹林で、毎年4月中旬からひと月あまり、タケノコが出てくる。
今年は、まだ採れている。


今日は大小合わせて10本ほど。多い。
いつもは、食べる分だけ、3,4本掘る。


皮のむき方は色々あるが、飼い主は1枚ずつ剥がしたりせず、掘ったものが真っ二つになるように、豪快に縦にザクッと包丁を入れて割るだけだ。
あとは、バリッと中味を取り出して終了。
ザクッ! バリバリ! 1本当たり15秒。
気の短い飼い主にピッタリのやり方だ。


懐石料理でも作るなら、先端の姫皮を丁寧に扱うんだろうが、飼い主は先っぽが折れようがうまく取れなかろうが、全く気にしない。
そんなに大事にしなくても、それこそタケノコは腐るほどあるし、何しろタダだ。


ボクも気にしない。タケノコは、ボクの食料にならないから。


都会人が見たら、皮どころか目を剥く光景だろう。もったいない!



皮をむいたタケノコを、ザッと洗って土を流し、気に入らない部分を切り落とし(これも贅沢だ)、屋外にあるコンロ用の大きな釜に入れる。


釜!?
そう聞いただけで、興奮する都会人もいるだろう。
釜なんて、アンパンマンに出てくる「釜めしどん」くらいしか見たことないに違いない。



火にかけ、米ぬか(自家製だ。米も自分ちで精米するから)を適当に入れて沸騰させる。
一連の流れといい分量といい、ホントに適当だ。
飼い主が、何かを計量しているのを見たことがない。


30~40分煮る。
弱火でも、ブクブクと米ぬかの泡が沸き立つ。
ボクのいる小屋の方にも、かぐわしい匂いが届く。でも、食べたいとは思わない。


飼い主が、一つ取り出して割り箸を適当にブスッと刺して、柔らかくなったか確認する。
上手く茹でられたようだ。


そのまましばらく放置し、少し冷めたら釜からあげる。



そして流水でヌカを落とす。


ビニール袋に入れるか、水を入れた容器に移して、冷蔵庫へ。
これでおしまい。掘ってから約2時間。


これだけで、いくらくらい?
飼い主は、タケノコをお金を出して買ったことがないから、わからない。
ボクのフードほど高級には見えないが。


そうそう、釜を洗わねば。
下の写真で、釜の向こうに見える柵というか塀は、亡き爺様が竹をつなげて作ったもの。
まさにタケノコ屋敷だ。


あー、何という田舎の風景。
このコンロに、寸胴鍋でものっていれば、ラーメン屋さんくらいの雰囲気なのに。
 

今日は、飼い主は午後自分の姉妹に会う予定があるので、タケノコは手土産になるようだ。
飼い主の実母の入院先へ、今後の方針を相談しに、三姉妹揃って出向くらしい。
ということは、ボクはまた留守番か。
ま、いいか。
飼い主に内緒で、フェンスの内側に入ってきた小虫でも試食していよう。


飼い主の母のことは、またの機会に。