誤嚥性肺炎で緊急入院したお母さんの診断結果を聞きに、病院に行く。
普段内科で診てもらっていた先生が、レントゲンを見せながら説明をする。
肺が白くなっていて状態は良くないこと、天ぷらが喉に詰まっていたので油が影響し、通常の誤嚥性肺炎より厄介なこと、パーキンソンとか72才の年齢を考えると治療をせずに看取りでの入院と言われる。
思ってもいなかったあまりの内容にびっくりして耳を疑った。
先生に「どうせ看取りなら家に連れて帰りたい」と訴えると、
「お前はバカか?警察が入るぞ!家に帰る途中に死んでしまうかもしれないぞ!」と脅されるが、
「例えそれでも少しでも長くお母さんと一緒にいたい!治療しないなら、家に連れて帰りたい」と必死で訴えた。
先生は上の人に相談するから一旦診察室を出るように言い、祈る思いで待っていると、看護師が声をかけてきて、退院出来ることとなった。
ケアマネに急いで連絡し、家に連れて帰ることを話す。
看護師から家に連れて帰る為のアドバイスをもらう。
病院で、在宅酸素治療の装置を借りる手配をしてもらい、彼氏が介護タクシーの手配をしてくれて、ケアマネさんが在宅診療の病院を探してくれることとなり、お母さんは1時過ぎにお家に帰ってくる準備が整った。
入院している部屋に行き、お母さんに話をする。
「お母さん、先生からは誤嚥性肺炎で治療をしてくれないと言われたので、この病院からは出て、お家に連れて帰りたいと思っているよ。
お母さんが入院していたいようなら、ここにいても大丈夫。お家に戻ってお家で過ごしたいようならそれでも大丈夫。お母さんが決めていいから、手を握り返して。お家に帰りたい?病院で過ごしたい?」
お母さんはお家に帰りたい?の時に力強く、握り返してくれた。
「私も彼氏も頑張るから、いたらないこともあるかもしれないけど、お家に戻ろうね」と話して、家に連れて帰ることを強く決意した。
酸素治療装置の業者が来て、説明を受ける。
介護タクシーの人が来て、お母さんに酸素マスクを付けて、ストレッチャーに乗せて家に向かい、ベッドまで丁寧に運んでくれた。
介護タクシーは10分程度の距離でも22000円程かかったが、命には変えられない。
酸素治療装置も設置し、いつもの寝室にお母さんが戻ってきてくれた。
いつ亡くなってしまうか、分からないかもしれないので、親戚に連絡して、家に来てもらった。
その日の夜には、ケアマネさんがお願いしてくれた在宅診療の病院と契約することが出来た。
往診の先生が夜9時に来て、今後の方針を話してくれた。
私は「少しでも長くお母さんと一緒にいたいこと。もし僅かでも治る見込みがあるようなら治療をして欲しいこと」を告げた。
先生は「私達は匙を投げるようなことはしません。」と言ってくれて、翌日の朝にレントゲン、採血、心電図を自宅で行い、病院では誤嚥性肺炎だと抗生物質を入れてくれてなかったが、翌日から在宅診療の病院では点滴で抗生物質を入れようと考えてくれることを教えてくれた。
お母さんは誤嚥性肺炎で熱と、パーキンソンのせいかふるえが出ていたので、アイスノンをしたり、脇の下などに保冷剤を挟んだり、口の中か乾かないように水で湿らせたスポンジで口内を拭いてあげた。
まずは家に戻ってこれて、お母さんの看病が出来ることになって、良かった。
お母さんに今出来る限りのことをしてあげたいと強く思った。