お嬢が中学受験の塾に通い始めた頃、テストを受けると必ずと言っていいほどミスをしていた。

よくあるうっかりミス。特に算数。

足し算や引き算を間違えたり、答えがわかってるのに書き間違えたり。

はじめのうちは、「まだ通い始めたばかりだから…」とか、「テスト慣れしてないんだよね」などと励ましていたのだが、半年たち、一年たち、6年生になってもミスはなくならなかった。


お嬢も最初のうちは、ちょっとがっかり、でも、次から気をつけよう、という気になっていたが、そのうちあのし烈な戦いの中で、「このミスがなければ、もう一つ上のクラスに行けたのに…」とか、「今やれば全部できるのに…」などとしきりに悔やむようになった。

私はこういう後悔の仕方が嫌いだ。

もうしてしまったことを、それがなければうまくいったのに、という発想。

だからいつもお嬢に、「テストのその場でできないのだから、ミスも実力のうち。この点が、今のあなたのまぎれもない実力だよ」と言っていた。


でも、そうは言っても、ミスはない方がいい。

だからテストの前には「うっかりミスに気をつけて」とか、「せめて足し算引き算は正しくしよう」とか言ってみたりしたが、テスト慣れしても、ほとんどいつも、ミスはあった。

これは、だめだ。

性格なんだ。

激励しても、注意を促しても、ミスってしまうのはもう仕方ない。

だから発想を転換し、「ミスはなくならないものと諦め、ミスした分の点を差し引いても合格点を取れるように頑張ろう」と。

そう思うと、気が楽になった。


たぶん、本番の入試では、お嬢は奇跡的にうっかりミスがほとんどなかったのだと思う。

運は味方してくれた。

しかし今、あれから数年たち、すっかり大人の域に入りつつあるにも関わらず、お嬢からは未だミスがなくならない。

頼むから、足し算、引き算、かけ算は、大学受験で間違えないでくれ~しょぼん