《帰ってきた009ノ1》
連載の形が終わってから、4年後の作品である。
あくまでも70年代のお話としてフィクションである。
日本の総理の弟が、兄をねたんで暗殺を企てる。
それもコールガールを使って、男性の大事な部分に真珠の大きさの爆弾を…。
警備が厳重の為、まずコールガールのお試しを弟がする。
その際に、仕込むのである。
時間が来たら、総理とコールガール共々爆死と目論んでいるのだ。
コールガールは、サイボーグだと弟は知っている。
コールガールは、何か策略があることは知っている。
このまま産油国からの怪しい財産は、弟のものになるかと思われたが、コールガールに扮した009ノ1は、こっそり自白剤と入れ換え、庭で爆弾は爆発。
総理も自白剤が効いてきて、そのあと国会中継で産油国とのやっちゃいけない話をしてしまう。
結局、身の破滅には間違いない。
…4年で熟成されたかエロさが(汗)。
今回で009ノ1も読了のようである。
この後、石ノ森章太郎先生の文章があった。
子どものためのマンガから大人のためのマンガに切り換える難しさが当時あったという。
マンガを支持してくれる読者の為に、答えた形の作品だったが、なかなか軌道に乗ることが出来なかったと告白している。
オールマイティーな漫画家だと思っていたが、それなりに開拓者としての苦悩もあったようだ。
双葉社「週刊漫画アクション」1974年11月14日号・初出。
(講談社「石ノ森章太郎デジタル大全」より「009ノ1(5)」から)