章太郎のファンタジーワールド ジュン①-16《春の宵》桜ははかない花を咲かす。花びらが散るのが最後の力で、ジュンに幻覚を見せてくれる。長い間、いろんな生き物を見てきただろうし、生き死にを目の当たりにすることもあっただろう。ジュンならば、その昔話を聞いてくれるかもしれない。桜がそう思ったのかもしれない。虫プロ商事「COM」1968年4月号・初出。(講談社「石ノ森章太郎デジタル大全」より「章太郎のファンタジーワールド ジュン(1)」から)