かつては、四つ足で気になるものを本能のまま、追いかけまわしていた犬たち。
それが恥ずかしいことと教えたのは、スフィンクスのような神の仕業なのだろうか?
町では、兵器工場の煙で空気が汚れてしまっていた。
その兵器で、兵士と剣士が戦争を始めていた。
これを止めなければならない!
シバとヒトは、「シリウスの双つ星」と名乗り、工場を爆破するのだった。
神の狙いは、この世の犬の絶滅なのか?
戦い合う剣士と兵士が戦うだけではすまないのは、事実だ。
やはり、犬の世界にしておくのは、正解かもしれない。
反戦は、真正面からは直接過ぎて表現するのは、難しい。
小学館「週刊少年サンデー」1976年頃・初出。
(講談社「石ノ森章太郎デジタル大全」より「THE DOG WORLD(2)」から)