《FANTASY WORLD JUN》
ジュン、これは石ノ森章太郎先生の別作品のキャラクターではないか。
鉄橋で自ら描いたらしい女性のスケッチを破り捨てようとしていた。
失恋であろうか?
ところが、そのスケッチブックには、その女性のその後の人生が描かれていた。
別の男性と付き合って結婚して、子育てでストレスをためて、やけ食いして太って、年を取ってしわしわになって、骨になる。
なんだかその絵を見て、ジュンはバカバカしくなって大笑いをしまうのだけれど。
こんなイタズラをするのは、エッちゃんしかいないよね。
エッちゃんが鉄橋のてっぺんでこっそりのぞいていたのです。
ツラい経験は、振り切って笑って前に進むしかないのでしょうね。
平凡出版社「平凡」1969年10月号・初出。
(講談社「石ノ森章太郎デジタル大全」から「さるとびエッちゃん(5)」より)