おかあさんらしい人が、子どもを追いかけていた。
男の子は、おかあさんのカバンを奪って逃げていた。
おかあさんは、おどおどするばかり。
「お金がほしいなら、あげるわよ」
なにか、ちぐはぐな感じである。
エッちゃんらが事情を聞くと、どうやら本当の子どもではないらしい。
おかあさんになりたい女の人は、どうしてなついてくれないのかわからない。
エッちゃんは、男の子を追いかけるうちに、答えを見つける。
エッちゃんは、念動力?でおかあさんの手を男の子のほっぺへ叩かせた。
男の子は、ちゃんと怒ってほしかったのだ。
おかあさんに憧れる子どもは、それさえ素敵なことなんだな。
慣れてしまえば、イヤなことになるはずだが(汗)。
集英社「週刊マーガレット」1964年頃・初出。
(講談社「石ノ森章太郎デジタル大全」より「さるとびエッちゃん(2)」から)