しかし、腕がなまって仕方がない。
何かしてあげることはないか?
嫁であるみどりは、岡っ引きだった自分の父親の未解決事件の覚え書きを、佐武に示すのであった。
はじめは興味ない風を見せていた佐武だが、退屈しのぎに読み始めると、「屏風の女」という気になるタイトルが目に入った。
元スリの部下を、前の仕事に戻してはいけない。
部下を仕事にかり出すのだった。
政治をつかさどるものが、すべての事を把握しているとは限らない。
これは、現代も同じなのかもしれない。
武士というのは、ある意味現代の政治家のようなポジションで、それを岡っ引きという現代の警察という庶民は、深く関われないのである(汗)。
屏風の女とは、浮世絵だったためモデルを確定しにくい(汗)。
そのため、真実を隠すのには、とっておきのアイテムだったようである。
小学館「ビックコミック」1971年頃・初出。
(講談社「石ノ森章太郎デジタル大全」から「佐武と市 捕物控(14)」より)