とてもきれいなのに残念だわ。
夜があんなに美しいなんて、星を見て以来だったわ。
蛍なんて、小さすぎるのよ。
生き物の営みを邪魔することはないと思うの。
あの花は、海の近くで咲く事が多いらしいけど。
花を見に行くには、臨時列車に乗ってみたり。
渋滞の車にはまってしまったり。
その花を見るには、困難がもともとあるものなのね。
その花は、とても大きな花で見ごたえかあるわ。
花は、静かに咲いているものではないのかもしれない。
我々は、普段花の咲く音をききのがしているのかもしれない。
花が咲く瞬間が見られるという、人間の小さな夢のひとつだったのかもしれない。
長く咲いてる花ではないけれど、あの花を摘んで帰ることもできない。
人間の夢は尽きない。(終わり)