果たして、彼女はもともと鶴だったのでしょうか?
狩猟をしていた男たちが、鶴と間違えて矢を当ててしまうという不手際。
鶴なんて、生きるために狩猟する対象ではなかろう。
きれいな羽、目当てだというのか?
彼らは、金貸しで強欲のかたまりなのだ。
自分達の保身しか考えていない。
怪我の介抱さえせず、崖から突き落とすのである。
残された家族には、金の催促しかしない。
乳飲み子を抱えた貧しい家族。
残された旦那は、雪の降るなか仕事に出掛ける。
乳飲み子の世話は、まだ幼さの残る女の子である。
1年経っても、母の帰りを待っているようです。
逃げ出したくなる家庭ではないようですね(汗)。
帰りを待つ旦那さんは、雪に埋もれたお地蔵さんを、見るにみかねて雪をのけてやります。
優しい人物だと思われます…。
お地蔵さんの力か、妻は戻ってきます。
とても高そうな着物を羽織って…。
やり残したことがある!
家族をなんとか救いたい!
そんな母の強さを感じました。
復讐劇?
そんなふうには、感じませんでした。
さて、昔話がいくつ混ざってるでしょう?(笑)
最後に、0系新幹線を描くところが、今も通じる、いや通じてほしい母心という名の力なんでしょうね。
講談社『なかよし』1965年 3月号 初出。
(『石ノ森章太郎 デジタル大全』より『青い月の夜』から「雪おんな」を読んで)