(創作)黄色と黒のハーモニー | ネムリ・モヤのブログ

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アートと旅と食を愛す孤高の仮面ライダー好き女

浜辺にうちあがったニそうの船。

乗組員はいない。

二組は争っていたのだろうか?

まだほかに船がいたのだろうか?

そんなに命がけで争わなくてもよかっただろうに。

そもそも、この島に到着するつもりだったのだろうか。

天候不順で流されて来たのかもしれない。

上陸してもなお、乗組員は争いを続けたのかもしれない。

もしかしたら、それはただのヨットレースだったのかもしれない。

なぜ二人は、争わなければならなかったのだろう。

もともとは仲がよかったのかもしれない。

この島に上陸してから一変したのかもしれない。

二組は、恋人同士だったのかもしれない。

なぜ別の船に?

引き裂かれた恋人同士が、この島で落ち合う約束をしていたのかもしれない。

やっとたどり着いて、砂浜を裸足で手をつなぎ、二人を誰も知らない島民たちにまぎれていったのかもしれない。

答えは、誰も知らない。

ああ、あの船たちに言葉が話せたら、どんな話が聞き出せるだろう。

もしも、話ができたとしても、きっと自分たちの話しかしないだろう。

だって彼らにも、守秘義務があるだろうから…。(終わり)