楠木正成の話しと思いきや、息子の多聞丸(正行)の話し。

英傑の長男として、南北朝時代の南朝に報い北朝を滅ぼすことを望まれています。

が、のらりくらりとかわし楠木党の力を蓄えます。

多聞丸の思惑と、南朝の帝を護って欲しい弁内侍こと茅乃。究極の選択です。

と、ここで上巻は終了します。

 

◆楠木正成

「人は弱い。誰もが恐れを抱く。ただ人にはそれでもやらねばならぬ時がある」 

◆正成の足利尊氏評

「乗せるとあれほど厄介な人はおらぬ。一呼吸空け、気を削ぐ必要がある」 

◆多聞丸の本心

「(南朝に報いることは)かなり厳しい。十中八九は死ぬ。・・・これでは死ぬために生きているようなものではないか」 

 

楠木党の頭として多聞丸は郎党や仲間に支えられ、考えに考えて方向性を決めます。しかし茅乃の正論によって、何をすべきか、郎党に迷惑をかけるのではないかと、考えますがやはり正論には従いたくなるところが多聞丸のいい所のようです。

 

486ページの上巻、偉大な父を持つ息子の苦悩と本質がよくわかりました。いよいよ下巻です。