武田信玄の四女の松姫。
織田信忠を大将とする織田勢から逃れるため、高遠城から新府城へ、そして信玄の次男・竜芳が仏門の日々を送っている古府中の入明寺へ、さらに塩山の向嶽寺、雲峰寺、大菩薩峠から武蔵の国へと向かいます。また信忠の直臣の中川五郎左衛門も、織田勢から松姫たちを護りながら同道することに。
めちゃくちゃ苦難な逃避行が描かれています。織田勢の追撃、武田家中の裏切り、北条の追撃と。いくつ命があっても足りないくらい。松姫や五郎左、松姫に付き従う武田家臣らの奮闘やすごい!またどんどんたくましくなっていく松姫が神々しい。特に信玄が乗り移ったかの如くの 「御旗 楯無 御照覧あれ」 の唱和は感動ものです。
GoogleMapで入明寺から大菩薩峠まで徒歩で37km9時間とありました。ただ追撃され雪が残り風の強い山の中でかつ裸足の人もいたでしょう。何人も谷底へ転落したとも描かれていました。
松姫の成長ぶり、五郎左の織田への忠義と松姫たちへの情に揺れ動く葛藤、武田家臣の松姫への希望、、、。自分が物語の中に入り込んでしまうような錯覚に陥りながら、また涙をこらえながら読ませていただきました。
10年ほど前に読んだ
・仁志耕一郎さんの「松姫はゆく」や
・中村彰彦さんの「疾風に折れぬ花あり-信玄息女松姫の一生」
では武蔵の地で松姫が絹織物の作り方を広めていったようなことしか記憶にないのですが、もう一度読んでみようと思いました。
