「天下一の碁打ち」 本因坊日海(算砂)。碁を打つときに何故そこに石を置くのか?

勝つための囲碁もあれば、自身の考えを信長へ伝えるための囲碁もある。

 

敵の石を取る要領は何か? 「一に囲うこと、二に断つこと、三に欠くことにござります」 閉じ込め、孤立させ、中で活かさぬように眼形を打ち欠くこと、信長は伊勢長島攻めでこれを実行します。

 

囲碁の上手な人が悪手を打つ、何故か? 「勝手読みに陥られたためかと存じます」

どのようなときに、人は勝手読みに陥るのか? 「過去の経緯に縛られた時、小さな部分にこだわった時、身近な評判を気にした時、おのれの自身に溺れた時の四つでございましょう」 信長は武田勝頼を勝手読みに誘うことを考えます。長篠の戦ですね。

 

本因坊日海の戦略や天才振りは、信長に気に入られ、戦に応用されていきます。

日海自身も信長のため、囲碁指南と称して長篠の奥平信昌(家康の娘亀姫の夫)のもとへ、また秀吉や光秀のもとへも出向きます。

 

小説とはいえ、日海の冷静な思考能力には驚かされます。その場だけでなく先の先まで読んでいるんです。本能寺の変の前夜に信長の前で囲碁を打っていたことは有名ですが、将棋のルールを決めたりもしていたんですね。信長の思考に囲碁が影響を与えていたんだなぁと、楽しく読むことが出来ました。ちょっと時間はかかりましたが。