街で古くから愛される洋食屋オリオン。
シェフのくるみ、スイーツの真湖、ホールの蒼、猫のネロが丁寧な仕事でお客様をもてなします。
そこは高校時代の親友にばったり出会ったり、小学校の頃の初恋の人との縁を感じられる素敵なレストランです。まるで魔法で引き寄せられるような。
毎日同じことの繰り返しで、いっぱいいっぱいで、でも達成感のない専業主婦に、
「これをどんな時に食べたいか考えてみたら?」
「・・・わかんない。でも、子供たちを夫の顔が浮かんだ」
「答え出てるじゃん。それが由紀にとって価値あるものってことだよ」
って、何気ない会話なんですが、オリオンの料理と雰囲気は、肩の力を抜いてくれて素の自分に戻れるんでしょう。
洋食屋オリオンの「誰も寂しくならないお店」っていうコンセプトが、祖母からくるみやスタッフに受け継がれ、お客さんも感じの良い人ばかり。こんな店、近所にあったらいいなぁと、家族の顔を思い浮かべました。
先代のおばあちゃんがくるみに料理を教える場面は、なるほど、の宝庫です。トマトソースを煮込むときには必ずバジルを入れるのかぁ。トマトの美味しさを引き立ててくれるんだぁ。と料理の工夫についても頭に刻みました。