キッチン常夜灯。
シェフの城崎恵(けい)と接客の堤千花が、行き場のない人たちを迎えてくれます。
今回の2巻目は、レストランチェーンのシリウスの本社で働く新田つぐみ。
仕事を振られ、クレーム対応もこなし、毎日遅くまで残業。年下の彼氏からは連絡もなく、身体も心も疲れ切っています。見かねた同期の南雲みもざは、つぐみをキッチン常夜灯へ連れて行きます。
「美味しい料理の前ではみんな素直になるもんね。そして笑顔になる」
「家族と過ごすような、絶対的な安らぎを感じられる関係になりたい」
「シェフは否定的なことは言わない。何でも大丈夫な気がしてくる。だから好きなのだ」
「一人で抱えていたものを、全部聞いてくれた。千花ちゃんの笑顔とシェフの料理は、体と心に栄養を与えてくれたんです。ここで話していると、元気が出てくるんですよ」
キッチン常夜灯へ行けばそぐに解決、という訳にはいきませんが、なにやらホッとするとか久しぶりに笑顔になったとか勇気とか積極性とか、とにかく前向きになれるんです。つぐみはすっかり常連さんに。しかも「今日は常夜灯へ行くぞ」と心に決めると、それだけでワクワクして頑張れるんです。
そういう場所っていいですね。しかもシェフの料理はすべておいしそう。ただクロックムッシュって何だろうとか、都度ネットで調べ、脱線してしまいましたが…。最初に出てきたニンニクのスープ、食べてみたいなぁ。
このシリーズ、料理だけではなく、会社組織のことや、女性活躍と適材適所、おじさん社員についてもわかりやすく描かれていて、興味深く読ませていただきました。