水道橋を渡ってすぐある「みと屋」。

強面の銀次郎が「やくざ稼業に疲れた心を料理に救われ、自分も誰かの心を救えるような料理を食わせてやりたい」と思って開いた料理屋だ。そこには元殺し屋の弥七と、父を探しに江戸に出てきたお鈴ちゃんの3人で切り盛りする。といってもほとんど客は来ないんです。

 

それでも「飯、食ってけ」の銀次郎の一声で店から出られなくなった客に対し、その客の悩みを解消するきっかけとなる食事を作るお鈴ちゃん。

 

・心と身体が疲れたときには、まず飯だ。どうにもならねえと思った時こそ、飯を食う。旨いもんで腹いっぱいになれば、道も開ける

・どんなに真っすぐ生きても、上手くいかねえ時はある。でもな、自分の心に真っすぐ生きることが肝心なんだ

・どんなに包丁さばきが上手くても、そこに心がなければ旨い料理は作れねえんだ

・一番大事なことを教えてやろうか。止めずに、続けることだ。あきらめの悪い奴が一番すげえ奴だ

 

アルファポリス文庫の別の本にこちらの宣伝が載っていたので3冊まとめて読んでみました。元こわい人および閑古鳥という設定なのでお鈴ちゃんが伸び伸びしていないような感じがありましたが、人情味あふれる展開でじわじわと面白くなりました。これで完結!?でもいいし、それでも続編があってもいいかなぁ…。