大手新聞社の子会社が清算することになり、清算業務の大変さが描かれると同時に、横領・失踪・殺人事件が起こります。お仕事小説とミステリー小説でしょうか。

 

八千代アドバンスの制作部次長の畑井伸一は、誠実で真面目が故に会社清算のための総務部長へと打診されます。清算することは発表まで秘密ですし、同僚の退職までのモチベーションや再雇用や退職金の取りまとめ、さらには清算するための財務・法務の仕事も必要なようです。これを聞いただけでも逃げ出したくなりますね。

 

畑井は妻の「あなたは損な性格ね」に込められた信頼と心配を感じ取ったのでしょう、思い付きで指示を出す上司の命令の中で、重要・緊急性がなさそうなものにはそれなりの対応をすることにしてから事が進展するようになります。元来丁寧な人が取捨選択できるとすごいです。

 

会社の解散とその後の清算について、なんとなくわかったような気がします。本当に難しい仕事です。その後の横領・失踪・殺人事件はちょっとぶっ飛んでる感じがしましたが、まあ面白く読ませていただきました。

 

畑井さんに「あっ晴れ!」です。