江戸の料理茶屋「千川」で料理人として働く“きよ”。シリーズ第5巻。

 

今回は酒合戦から始まります。常連客と与力様のひょんなことから千川で開催 !?

ところが酒は集められない、報奨金で赤字必至など問題が次々に。

 

困っているときは、さすが〝きよ”です。実家の菱屋に早飛脚で酒の手配をお願いし、報奨金の問題は参加料と見物料で賄う。客にとっても、酒合戦というお祭りを見物しながら千川の料理が食べられる、こんないいことはないですね。見物券の転売まで発生したようです。

 

きよの、周囲(千川、千川の馴染みの酒問屋、杜氏、見物客)に配慮する成長に脱帽させられます。その他、姑から逃れたい妊婦さん、吉原に売られて逃げてきたれんちゃん、そろそろ代替わりをする気配の千川のお話しも、どれも面白かったです。

 

「煮物は、味醂を先に入れると材料に甘みが入りやすくて優しい味に仕上がる」

こういうのをさり気なく教えてくれるところがいいんです。やってみようという気になります。

 

このシリーズ、きよが独立したり、結婚したりするのかなぁ、などと勝手に想像しています。次巻は恐らく1年先になるかと思いますが、楽しみにしています。