企業の問題点を指摘し、割高となっている株をカラ売りするパンゲア&カンパニー。

創業パートナーは東京在住の北川靖とニューヨーク在住のホッジスとグボイェガ。またタイヤキッカーのトニーは提携関係にある。この4人を中心に問題のある企業にカラ売りを仕掛けます。

 

なんかカラ売りってイヤな感じだなぁと思っていましたが、パンゲア&カンパニーは「儲けよりも自分の見立てが正しいことを証明したいと熱望し、悪徳企業の不正を追及し、・・ それによって社会や投資家に貢献できる」といった確信をもっています。

 

実際に読み進めていくと、ひどい会社、ひどい経営者がいて、非常に憤りを感じます。特に水素トラック革命では、社長の発言で株価が上がったり大企業が提携を申し入れたりと、こんなことが許されるわけないじゃん、っていったことが描かれています。何ら実態もない嘘の発言なのに。

 

パンゲアが売り推奨のレポートを出すと株価が急落しますが、企業側も当然反論します。パンゲアの借株コストも膨大なら、企業側の株を支えるためのコストも膨大です。ただパンゲアの調査・分析力には「へぇ~、そこまでするんだぁ、と感心させられます。

 

水素トラック革命の、発表会でお披露目されたトラックが疾走している動画を作った企業側に対し、「エンジンもないトラックを勾配のある坂道の上まで運んでそこから転がした」ことを突き止め、さらにgoogle earthを使って、どの場所で撮影されたのかを暴いていくパンゲア。

 

地銀の狼では銀行と住宅建設会社に対し、「二社のやっていることは、詐欺と言っても差し支えないと思います」とまで言い切っています。今回も興味深く読むことができました。これってS銀行のことだよなぁ、とか。面白かったです。