グラフィックデザイナーを目指すも、生活のために花屋さんのアルバイトを始める紀久子。職場仲間とお客さん、実家の母親や高校時代の親友に支えられ、成長していく紀久子のお仕事小説。

 

母と疎遠になっている店長の李多、父母・義父母の介護に明け暮れる光代さん、研究助手だけでは生活できない芳賀さん、研究で不規則な生活の伊福部さん、設立した会社の共同パートナーに追い出された寒河江愛さん、、、みんな悩みを抱えながら懸命に生きています。

 

変わらない夢はあるも、その糸口すら見いだせない紀久子は、職場の人たちによってお客さんに寄り添った仕事をしていきます。すると徐々に認められ、SNSのアップやデザインを任されたり。これって嬉しいんですよね。紀久子はどんどん成長していきます。

 

この作品は、花言葉や短歌、花に関するヨーロッパの風習を教えてくれます。花とガクの違いなんかも教えてくれます。菊やミモザも本当にいろいろな種類があることも。

 

イケイケではなく、ほっこりしながら成長していく職場環境、紀久子っ頑張れ!って思いながら、微笑ましく読ませていただきました。

 

主な登場人物

君名紀久子 河原崎花店アルバイト 25歳

外島李多(とじまりた) 河原崎花店 店長 38歳

光代さん(旧姓:香川) 河原崎花店パート 元国語教師

芳賀泰斗 農大の研究助手。河原崎花店アルバイト 30歳

馬淵十重(とえ) 華道の先生

馬淵百花 十重の娘、千尋の母

馬淵千尋 中学2年生

片岡瑞穂 紀久子の高校の同級生

伊福部晶 国立研究開発法人の研究員

寒河江愛 草木染めの服を作る

深作ミドリ 美大生 芳賀の農大時代の友人の妹

外島莉香 李多の母。フィリピン在住。65歳