諜報員の影山夏樹。冷たい狂犬と恐れられる。

その冷たい狂犬シリーズの第6弾(と思います)。

 

舞台は、秋田の角館と、後半は台北です。

夏樹は自身の良心のもとに暴れ回ります。スマートかつ凶暴に。

相手は、中国の公安局、中央統戦部、紅軍工作部、そして朝鮮人民軍偵察総局。さらにロシアの特殊部隊。中国だけでも複数の諜報機関が別々に活動しています。

 

「あの方は毛主席のように疑り深いのです。忠誠を誓ったとしても、仕事ができるものを疑うようです」

「中国はロシアのウクライナ侵攻で、ロシアが思わぬ反発を受けていることも承知しているはず…。そのため強気の姿勢を崩さずに、一方で台湾自ら中国になびく謀略を企てたようだ」

「台北のシンボルのTAPPEI101の破壊が中国の攻撃に見せかけた米国の謀略とされれば・・・。台湾市民は一挙に反米になり、親中国派の独壇場になる」

 

一匹狼だった夏樹が、IT関連を含めチームを作っていく。ITは必須ですね。

傭兵代理店のリベンジャーズに似たような、ちょっと違うような。登場人物が増えることで話しに膨らみができるので楽しいです。

 

角館では“夏瀬温泉 都わすれ”という旅館が登場します。夏瀬温泉ってどこだろうと思いGoogleMapをみると、なんと実在する高級旅館でした。

 

渡辺裕之さんの作品は、国際情勢を認識させてくれて、かつ臨場感があるので大好きです。これからもますます期待します。