トヨタ自動車の創業者の喜一郎と、その孫で現会長の章男の物語。

社長であるだけでなく創業家としての責任と情熱により、二人はそれぞれ孤独を味わいます。そんな二人が時空を超えて互いに励まし合うんです、ちょっとSF的ですが。

 

豊田自動織機製作所の事業として乗用車を作りたいと研究・模索をする喜一郎。

テストドライバーとしてクルマの安全性を高めたい章男。

まわりからお気楽御曹司の道楽と失笑されています。

 

戦後、GHQにより自由な生産活動が制限され、資金繰りに詰まった喜一郎。

楽しいクルマを作らず、シェアや利益を追求するばかりとなり、赤字転落したトヨタの社長に就任した章男。章男にはアメリカでのレクサス・プリウスのリコール問題が襲い掛かります。

 

豊田佐吉翁の考えや心意気を、真っすぐに受け継いでいった喜一郎や章男。組織である前に一人の人間としてどう行動するか、を芯に持っているんでしょう。面白く、時には涙を浮かべて読まさせていただきました。またトヨタも苦労しているんだなぁと再認識させていただきました。