鉢屋のミニ盆栽日記 25年くらい前のある日、鉢小売業、

一雨会(水石愛好会)会員であった

江戸川のSさんが「今からいい所に

連れてってやる」と言われ

軽トラでぶっ飛ばし着いた所がなんと

片山貞一さんのお宅であった。


かなりの緊張をしながら奥座敷に

通されそこで見たものはなんと

押入れにびっしりと積まれ古びた

桐箱、その中の留佩、珠佩

陶翆、一陽様々な水盤を拝見

させて頂きました。 


水盤の良いものが出来れば何でも出来る

鉢を造る前に水盤を造りなさいと言われ

全てのものには真行草の位があることを

教えていただきました。


落款も同じことである。当時常滑では

卸問屋の誰かが言ったのであろう

手造りの鉢は釘彫落款でないとダメだ

と言う風潮があり先輩方の鉢は

釘彫が普通であった。


そこで私は真の位の鉢なのになぜ?

手書きでしかも行書?

なんかおかしいと思い全てを添書、隷書の

角落款に変えました。

その為か当時自分たち問屋の言うことを

聞かない常滑の異端児と嫌われていました。


私は私の考えで真意をもって責任印を押す

それが何が悪いんだ、問屋に頼らず自分で切り開くしかない

と思い、心機一転した頃を思い出しました。


一弘から壹興に変更したのもそれがきっかけです。