オーディオブック、稲盛和夫氏の著書『京セラフィロソフィー』が実践に基づく話で為になります。
他の著作や講演、雑誌『致知』などでの対談でも稲盛氏が特に強調されてるのは、ビジネスにおいて「利他の心を判断基準にする」ということです。
具体的には、稲盛和夫 OFFICIAL SITEにこう記されてます。
「私たちの心には『自分だけがよければいい』と考える利己の心と、『自分を犠牲にしても他の人を助けよう』とする利他の心があります。利己の心で判断すると、自分のことしか考えていないので、誰の協力も得られません。自分中心ですから視野も狭くなり、間違った判断をしてしまいます。
一方、利他の心で判断すると『人によかれ』という心ですから、まわりの人みんなが協力してくれます。また視野も広くなるので、正しい判断ができるのです。
より良い仕事をしていくためには、自分だけのことを考えて判断するのではなく、まわりの人のことを考え、思いやりに満ちた『利他の心』に立って判断をすべきです」
昨夜来店したお客さんへの提供が、いっ時に混み合った時間帯で非常に遅れ、ねぎたん以外をすべてキャンセルされ、怒らせて帰らせてしまいました。
そのあと間を開けずに食べログ評価1かつ厳しいコメントを頂きました。
店舗力の向上、味、サービス、雰囲気、CPなどの向上を目指すなどと、綺麗事ばかりをほざきながら、この体たらくであります。
せっかく楽しみに来られたのに申し訳なさでいっぱいです。
提供が遅れること。
それによるご不満。
これは当店を利用される、特に一見さんに多く見受けられます。
常連さんは温かく見守ってくださり有り難いとしか言いようがありませんが、かと言ってそれに甘えることは許されず、また、決して一見さんを軽くあしらうつもりも毛頭ありません。
いつも真剣に分け隔てなく仕事をしているつもりです。
しかし、お客さんの不満が多い1番の理由なのは歴然とした事実なのです。
後述することは言い訳にもなりますが、自戒や反省、明日への糸口へとの意を込め書き連ねさせて戴きます。
原因を考えるに、注文後の肉のカット、作り置き、準備をしないことが挙げられます。
何のためかと言われれば、少しでも美味しくするためと答えます。
なぜなら、味が優先だから。
そしてそれはお客さんが最も求めていることです。
美味しいは幸福なのです。
でもそれだけでは前述の不満は消えません。
繁忙時に備えていかにすれば良いのか、次はどうすべきか。
味を犠牲にせず少しでも早く提供できるようにするにはどうすれば良いかを考えることです。
最初に浮かんだのはできる範囲の盛り付けの準備です。
肉や食材の最低限の仕込みは致しますが、味を損なう作り置きだけは決してしたくはないのです。
肉は特に切って置いておくとドリップが少なからず出て、間違いなく味が損なわれます。
切り立てが旨いのです。
あとは、ある意味申し訳ないですが、お客さんの数を制限するか、または店側からの時間指定をするか、これは双方にとっても大問題ですね。
どうやら回らない頭や拙いこれまでの経験を活かして、フルに考える時期が来たようです。
稲盛氏のフィロソフィーにも通じる近江商人の「三方よし」の鉄則の真髄を実践力として体得していきたいものです。