今回入荷した個体は本当に上品な味がします。
出しゃばらず、控えめに近江牛の旨味と香りを運んでくれるのは、生まれも育ちも滋賀県(最長肥育期限で定義する近江牛は、育ちは当然として、生まれが県内であることは実は稀なのです。他のブランド牛と比べて判定の甘い近江牛ではありますが、持論としては認定書や認証シールが発行され、しかも格付けのB4以上は除外してA4以上が最低の線引きとして考え、さらにその中から業者さんと商談・相談しつつ自分の目利きで仕入の判断としております)であり、生産者がその牛の生涯を一貫して大切に愛情を込めて見守ってきたからでしょうか。
ロースやウデ、バラも良いのですが、そんな成果は前部分だけではなく、モモ系に表れていました。
業界用語では「ぬけている」と言います。
つまり、前から後ろまで金太郎飴みたいに霜降りで肉質が良いことを意味します。
今回はモモ系四大部位の中の「マル」を捌きました。
写真の断面は、左から時計回りにヒウチ(トモサンカク)、カメノコ、シンシンです。
手前から同回りにカメノコ(1,280)、シンシン(1,280)、ヒウチ(1,980)と、それぞれ見た目だけでも個性を発揮していますね。
淡白な味といっても、しっかり深い味わいを醸し出しています。
赤身とは思えない霜降り肉のような濃厚な味が特徴です。
知る人ぞ知るやわらかさと旨味。
一度食べたらリピート確実です。
さあ、今夜も食という平和のための極小希少ながらメガトン級の弾を仕込み、笑顔のご来店を心よりお待ちしております。