新入生

キャンパスはひと、ヒト、人で溢れていた。
まるでフェステバルのようだ。
センターにある記念講堂前では、少し緊張の面持ちで記念写真に収まるスーツ姿も初々しい新入生達と、それを見つめる誇らしげな御両親らの微笑ましい姿が見受けられた。

震災で執り行われなかった春の創大入学式の代替。

今日の門出に、新しい日本の行く末に希望を託す。

スクーリングの合間に休憩場で一服していると、隣のテーブルに式を終えた新入生とそのご両親が座られた。

新たな門出を祝う家族の絆が見て取れた。

「おめでとうございます。実は私も新入生なんです。若くして入れて良かったですね」

なんて野暮なことは言わなかったが、その前途洋々なのが眩しかった。

さーて、スクーリング最後の試験、気合いを入れて頑張りまっせ！

何気なく通りすぎると周囲の草や木々に飲み込まれて気づかぬ路傍の紅葉。

近づいて見て初めてその美しさに目を見張る。

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